惨事ストレスと向き合うということ

惨事ストレスと向き合うということ

防災防犯を教えて

先生、『critical incident stress debriefing』ってなんですか?難しそうな言葉で、意味がよく分かりません。

防災防犯の研究家

そうだね。これは、大きな事故や事件を経験した人が心の傷を負わないように、その経験をみんなで共有して、気持ちを整理する取り組みのことだよ。

防災防犯を教えて

みんなで経験を共有するんですか?

防災防犯の研究家

そうだよ。例えば、火事の現場で活動した消防士さんたちが、その時の様子や気持ちを話し合ったり、専門家の話を聞いて、心の安定を取り戻すことを目指すんだ。

critical incident stress debriefing とは。

災害や事件を経験した人が、その時のつらい経験を語り、心の負担を軽くするための取り組みについて。これは、消防や自衛隊などでよく行われています。

惨事ストレスとは

惨事ストレスとは

– 惨事ストレスとは

地震や火災、事故といった予想もしなかった災難は、私たちの日常で起こる可能性があります。このような出来事を経験すると、心に深い傷を負い、様々な症状に悩まされることがあります。これが、惨事ストレスと呼ばれるものです。

惨事ストレスは、直接被害を受けた人にだけ起こるものではありません。怪我をした人や亡くなった人の家族、友人、そして、救助活動に携わった人なども、同様に強いストレスを感じることがあります。また、ニュースやSNSで惨事の様子を繰り返し目にすることでも、心が不安定になり、ストレスを抱えてしまうことがあります。

惨事ストレスは、決して特別な人がなるものではなく、誰にでも起こりうる自然な反応です。ですから、もしあなたが惨事ストレスに苦しんでいるなら、自分を責める必要は全くありません。

大切なのは、一人で抱え込まずに、周りの人に相談したり、専門機関に助けを求めることです。家族や友人、職場の同僚など、信頼できる人に今の気持ちを打ち明けてみましょう。また、医療機関や相談窓口なども、あなたの力になってくれるでしょう。惨事ストレスから回復するには、時間が必要です。焦らず、ゆっくりと、ご自身のペースで心の傷を癒やしていきましょう。

初期対応の重要性

初期対応の重要性

災害や事件・事故は、私たちの生活を一変させるような、大きな衝撃と混乱をもたらします。家を失ったり、大切な人を亡くしたりするなど、身体的な被害だけでなく、心の傷も深く残ります。しかし、心の傷は、目に見えないために、周囲の人が気づかなかったり、傷ついた本人さえも、その深刻さに気づけなかったりすることがあります。
このような心の傷を負った時、初期対応が非常に重要となります。初期対応とは、事件や事故直後から、数週間程度の間に、心の安定を図り、症状の悪化を防ぐための対応を指します。具体的には、安心できる場所の確保、食事や睡眠、休息といった基本的な生活リズムを整えるための支援、そして、周囲の人からの温かい支えなどが挙げられます。
初期対応を適切に行うことで、心の傷の悪化を防ぎ、一日も早く日常を取り戻せるようサポートすることができます。反対に、初期対応が遅れてしまうと、心の傷が深くなり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神的な病気につながったり、回復に時間がかかってしまう可能性があります。
心の傷は、決して恥ずべきものではありません。一人で抱え込まず、周囲の人や専門機関に相談し、必要なサポートを受けることが大切です。

災害・事件・事故による影響 初期対応の重要性
  • 身体的な被害
  • 心の傷(目に見えないため気づかれにくい)
  • 事件・事故直後から数週間の対応
  • 心の安定、症状悪化の防止
  • 安心できる場所の確保、生活リズムの支援、周囲の支え
  • 適切な対応で心の傷の悪化を防ぎ、回復を促進
  • 対応が遅れるとPTSDなどの精神的な病気のリスクが高まる

惨事ストレスデブリーフィングとは

惨事ストレスデブリーフィングとは

– 惨事ストレスデブリーフィングとは大きな災害や事故を経験すると、誰でも心の傷を負う可能性があります。そのような強い衝撃やストレスから、心身の不調をきたしてしまうことを「惨事ストレス」と呼びます。惨事ストレスデブリーフィングとは、このような惨事ストレスに苦しむ方々に対して行われる心のケアの一つです。専門の訓練を受けたスタッフが、被災者や事故の当事者、遺族の方々に対して、寄り添うような形で丁寧に話を聞きます。つらい経験を無理に語る必要はありません。話せる範囲で、自分の気持ちを言葉にすることで、心の負担を少しでも軽くしていくことが目的です。このケアでは、気持ちを吐き出すことを大切にします。つらい出来事を経験した直後は、混乱や動揺で、何が起きたのか、自分の置かれている状況を理解できないことがあります。そこで、経験した出来事をありのままに語り、受け止めてもらうことで、徐々に心の整理をつけ、冷静さを取り戻すことができるよう促します。惨事ストレスデブリーフィングは、心の傷を癒やすための第一歩と言えるでしょう。

項目 内容
定義 大きな災害や事故を経験した人が負う可能性のある心の傷に対するケア
対象 被災者、事故の当事者、遺族
実施者 専門の訓練を受けたスタッフ
方法 寄り添い、丁寧に話を聞く
目的 気持ちを吐き出すことで心の負担を軽くする、心の整理をつけ、冷静さを取り戻す助けをする
効果 心の傷を癒やすための第一歩

誰にでも開かれたケア

誰にでも開かれたケア

大きな災害が起こった後、消防士や警察官など、現場で活動した人たちの心のケアは、これまで積極的に行われてきました。しかし、災害による心の傷は、現場にいた人だけのものではありません。被災した本人やその家族、友人、そしてボランティアとして支援活動に関わった人など、多くの人が、目に見えない心の傷に苦しんでいます。
こうした、災害を経験したすべての人々に、心のケアが必要であるという考え方が広まりつつあります。災害による心の傷は、誰にでも起こりうるものであり、特別なものではありません。心のケアは、特別な人だけのものではなく、必要とするすべての人に開かれたものであるべきです。誰でも、どんな立場であっても、心の傷を負ったら、ためらうことなく、専門家のサポートを受けられる体制を作ることが重要です。
具体的には、相談窓口の一層の周知や、電話やインターネットでの相談体制の強化、また、地域の集会所などを活用した心のケアの場の提供などが考えられます。災害は、いつ、どこで起こるかわかりません。そして、その影響は、計り知れません。だからこそ、私たち一人ひとりが、心のケアの重要性を認識し、誰もが安心して過ごせる社会を築いていく必要があるのです。

心の回復に向けて

心の回復に向けて

大きな災害を経験すると、こころに深い傷を負い、時間がたってもその衝撃から立ち recover することが難しい場合があります。眠れない夜が続いたり、ふとした瞬間にあの恐ろしい出来事を思い出してしまったり、心が落ち着かない日々が続くこともあるでしょう。

しかし、決して焦る必要はありません。こころの回復には時間がかかります。一人ひとり回復のスピードは異なり、ゆっくりと時間をかけて心の傷と向き合っていくことが大切です。

まずは、自分の気持ちを言葉にすることから始めてみましょう。信頼できる家族や友人に、つらい気持ちや不安な気持ちを打ち明けてみてください。話すことで気持ちが整理され、心が軽くなることがあります。また、同じ経験をした人たちの話を聞くことも、心の支えになるでしょう。

もし、一人で抱え込みきれない場合は、専門機関に相談することも考えてみてください。医師やカウンセラーは、心の傷を癒すための専門的な知識と経験を持っています。一人で悩まず、専門家の力を借りながら、あなたらしく生きるための道を一歩ずつ進んでいきましょう。

心の回復に向けて