防災

組織

暮らしの安全を守る! 消防白書を読み解く

私たちの暮らしの安全を守るため、日々活動している消防。その活動内容や災害の現状についてまとめたものが「消防白書」です。消防庁が毎年発行しており、火災などの災害発生状況や消防組織の取り組み、そして私たち国民一人ひとりができる防災対策まで、幅広く網羅されています。消防白書を読むことで、私たちの身の回りで起こる火災やその他の災害の発生状況や傾向を把握することができます。例えば、どのような場所で火災が多いのか、どのような原因で火災が発生しているのかといった情報を知ることで、日頃から火災予防の意識を高めることができます。また、地震や風水害など、火災以外の災害についても、発生状況や被害状況、過去の教訓などがまとめられています。これらの情報を知ることで、いざという時に適切な行動をとるための知識を身につけることができます。さらに、消防白書では、消防組織の活動内容についても詳しく紹介されています。火災の消火活動はもちろんのこと、救急活動や災害救助活動など、消防は私たちの生活の様々な場面で活躍しています。消防白書を読むことで、消防の活動に対する理解を深めるとともに、消防への感謝の気持ちも芽生えるでしょう。消防白書は、私たち一人ひとりが防災意識を高め、安全な暮らしを築くために役立つ貴重な情報源と言えるでしょう。
組織

災害時の頼れる存在「情報収集要員」

近年、地震や台風などの大規模災害が頻発しており、私たちの生活や安全を脅かしています。こうした大規模災害が発生した場合、最も大きな課題となるのが、被害状況の把握と被災者への支援です。広範囲にわたって甚大な被害が発生するため、被災地の状況を迅速かつ正確に把握することが非常に困難になります。道路の寸断や通信網の麻痺により、情報収集が遅れ、必要な支援物資や人員を適切な場所へ届けられないといった事態も発生します。このような事態を避けるためには、平時からの備えが重要となります。具体的には、自治体や関係機関による情報共有システムの構築や、災害発生時の情報伝達訓練の実施などが挙げられます。また、ドローンや人工衛星を活用した情報収集体制の強化も有効な手段と言えるでしょう。さらに、住民一人ひとりが防災意識を高め、日頃から災害への備えをしておくことも大切です。非常食や飲料水の備蓄、避難経路の確認など、いざという時に備えておくことが、被害の軽減や早期復旧につながります。
制度

知っていますか?避難行動要支援者

いつ襲ってくるか分からない災害に備え、日頃からの備えは欠かせません。災害発生時、何よりも大切なのは、自分自身と大切な家族の命を守ることです。そのためには、いざという時に落ち着いて行動できるよう、事前の準備と心構えが重要となります。まず、住んでいる地域にどのような危険が潜んでいるのかを把握することが大切です。ハザードマップを確認し、自宅周辺が地震による揺れや津波、洪水などの被害を受けやすい場所なのか、土砂災害警戒区域に指定されていないかなどを確認しましょう。また、自宅近くの避難場所や安全な避難経路を事前に確認しておくことも重要です。災害発生時は、家族が離れ離れになってしまうこともあります。そのため、家族との連絡手段について、日頃から話し合っておくことが大切です。携帯電話が繋がりにくい場合を想定し、災害用伝言ダイヤルの利用方法や、親戚宅など、緊急時の連絡先を共有しておきましょう。さらに、非常持ち出し品の準備も忘れずに行いましょう。飲料水や食料品、懐中電灯、携帯ラジオ、救急用品など、最低3日分の備蓄を心がけましょう。これらの非常持ち出し品は、持ち出しやすい場所に保管し、定期的に点検や補充を行うようにしましょう。
その他

安心して避難できる場所を:外国人避難所の役割

災害が起きた時、誰もが混乱し、不安な気持ちに襲われます。しかし、日本語を母語としない外国人にとっては、その不安はさらに大きなものとなります。情報の入手、助けを求めること、避難所での生活など、言葉の壁は大きな問題となり、日常生活を送ることさえ難しくなります。言葉が通じないことで、必要な情報を得ることができず、適切な支援を受けられないという状況に陥ってしまうのです。このような状況下で、外国人避難所の存在は非常に重要となります。外国人避難所は、言葉の壁に直面する外国人が安心して避難生活を送るための最後の砦と言えるでしょう。避難所では、日本語を話すことができない外国人に対しても、生活に必要な情報を提供したり、様々な支援を受けられるようサポートしたりしています。また、同じ境遇にある外国人同士が交流することで、不安な気持ちを分かち合い、支え合うこともできます。災害はいつ、どこで起こるかわかりません。外国人避難所は、災害時における外国人への支援体制を強化する上で、必要不可欠なものです。外国人にとっても安心して暮らせる社会を実現するために、言葉の壁を越えた、きめ細やかなサポート体制の構築が求められています。
制度

知って備える!避難指示の意味と発令時の行動

- 避難指示とは避難指示は、「災害対策基本法」という法律に基づき、市町村長が発令するものです。大きな地震や台風、洪水などが予想され、命の危険がある場合に、対象となる地域に住む人々に対して、安全な場所へ避難するように促すことを目的としています。避難指示は、状況の切迫度に応じて段階的に発令されます。 災害の発生が切迫している場合は「緊急安全確保」、災害の危険性が高まっている場合は「避難指示」、危険が迫っている場合は「避難勧告」といったように、段階に応じて発令されます。 住民は、それぞれの指示が出された際に取るべき行動を事前に把握しておくことが重要です。避難指示が発令された場合、速やかに身の安全を確保し、指示に従って行動することが大切です。 避難先は、各自治体が指定する避難所や、親戚や知人の家など、安全な場所を選びましょう。 また、避難の際は、持ち出し品を忘れずに携行しましょう。 非常食や飲料水、懐中電灯、携帯ラジオなどの必需品に加え、常備薬や必要な医療品なども準備しておくと安心です。近年は、気候変動の影響などにより、大規模な災害が増加傾向にあります。日頃から防災意識を高め、いざという時に適切に行動できるよう、避難指示の内容や発令時の行動について、家族や地域で話し合っておくことが重要です。
インフラを守る

私たちの生活を守るインフラの重要性

- 生活を支えるインフラとは普段、私たちが何気なく利用している道路や水道、電気、ガスなどは、「インフラ」と呼ばれ、社会を支える基盤となっています。 これらのインフラは、私たちの生活を支えるだけでなく、経済活動や社会活動を円滑に進める上でも非常に重要です。例えば、朝、家から駅まで移動する際に利用する道路や電車は、移動手段となるインフラです。職場や学校で使用する電気や水道、調理に欠かせないガスなども、私たちの生活には欠かせないインフラと言えます。もし、これらのインフラが何らかの理由で停止してしまうと、私たちの生活に大きな影響が出ます。 例えば、大規模な地震が発生し、道路が寸断されてしまえば、物流が滞り、食料品や日用品が手に入りにくくなる可能性があります。また、停電が長期間続けば、冷暖房器具が使えなくなり、体調を崩してしまう人も出てきます。このように、インフラは私たちの生活にとって、なくてはならないものです。 日頃から、インフラの重要性を認識し、災害時などに備えておくことが大切です。
その他

放射性物質から身を守る!除染の基礎知識

- 除染とは何か放射性物質は、目に見えず、においもしないため、私たちが気が付かないうちに、身体に付着したり、家の中に持ち込んでしまうことがあります。もし、原子力発電所などで事故が起こり、放射性物質が放出されてしまった場合、私たちの生活空間を安全に保つためには、この目に見えない物質を取り除く「除染」が必要になります。除染とは、放射性物質が付着した人や物を洗い流したり、拭き取ったりして、放射性物質を取り除く、あるいは減らす作業のことを指します。放射性物質は、空気中を漂っているものもあれば、水や土壌に混ざっているものもあります。ですから、除染は、対象となる場所や物、状況に応じて、様々な方法で行われます。例えば、身体に付着した放射性物質は、衣服を着替えること、髪や肌を丁寧に洗うことで除去できます。家の中に持ち込まれた可能性がある場合は、床や壁を水拭きしたり、掃除機をかけたりすることで、放射性物質の量を減らすことができます。また、農作物などに付着した放射性物質は、水で丁寧に洗浄したり、土壌の入れ替えを行うことで、安全性を確保します。除染は、放射線の影響から私たちを守るために非常に重要な作業ですが、その一方で、完全に放射性物質を取り除くことは容易ではありません。そのため、国や地方自治体は、放射線の量や物質の種類、場所の状況などを考慮し、適切な除染の方法を決定します。私たちも、正しい情報に基づいて、落ち着いて行動することが大切です。
感染症から守る

食中毒を予防しよう!

- 食中毒とは食中毒は、食べ物に潜む目に見えない危険によって引き起こされる病気です。 具体的には、細菌やウイルス、寄生虫などが付着した食品や水を口にすることで、体の中に侵入し、様々な症状を引き起こします。代表的な症状としては、吐き気、下痢、腹痛など、消化器系に異変が現れることが多いです。 食中毒は、私たちの身近な場所、例えば家庭の食事や外食など、あらゆる場面で発生する可能性があります。 特に、気温の高い時期は、細菌が増殖しやすくなるため、注意が必要です。食中毒を予防するためには、食品の適切な保管、調理の際の加熱、手洗いの徹底など、日頃から衛生管理を心がけることが重要です。
組織

危機管理で安全確保:災害への備え

危機管理とは、会社や団体、そして地域社会全体が、予測不能な困難な状況に陥った際に、その影響を最小限に食い止め、一日も早く元の状態に回復するための仕組みや活動全体を指します。危機となりうるものとしては、地震や台風といった自然災害だけでなく、事故や事件、企業の不祥事による評判の失墜、感染症の流行など、実に様々なものが考えられます。これらの危機は、いつ、どこで、どのように発生するか分かりません。そのため、実際に危機が発生してから対応を考えるのではなく、事前に起こりうる事態を想定し、対応策を綿密に練り上げておくことが重要となります。具体的には、まず、どのような危機が起こりうるのかを洗い出し、それぞれのリスクの大きさを評価します。その上で、それぞれの危機に対して、誰が、どのような手順で、どのような対応を行うのかを明確化した計画書を作成します。また、計画書に基づいた訓練を定期的に実施することで、いざというときに適切な行動が取れるように備えておくことが大切です。危機管理は、企業や組織の存続を左右するだけでなく、そこで働く人々の安全や生活を守るためにも不可欠なものです。
制度

生活再建の支え:被災者生活再建支援金

近年、地震や台風といった自然災害が相次ぎ、私たちの暮らしを脅かしています。こうした自然災害は、私たちの命を奪うだけでなく、家や財産に甚大な被害をもたらし、生活の基盤を奪ってしまうこともあります。災害の規模によっては、家屋の倒壊や損壊などにより、住む場所を失ってしまうこともあります。また、家財道具や思い出の品なども失われ、経済的にも精神的にも大きな負担を強いられます。こうした状況下で、被災者の生活再建を経済的に支援し、一日も早い生活の安定を図るための制度が「被災者生活再建支援制度」です。この制度は、住居の被害状況や世帯の状況に応じて支給額が決められ、被災者の生活の再建を支援することを目的としています。この制度は、被災者の生活の再建を支援する上で非常に重要な役割を担っています。しかし、その内容や申請方法などが複雑なため、十分に活用されていないケースも見られます。そこで、以降の章では、「被災者生活再建支援制度」の内容や支給要件、申請方法などを詳しく解説していきます。この解説を通して、制度への理解を深め、いざというときに適切な支援を受けられるようにしておきましょう。
火災への備え

ガス漏れから家を守る!ガスセンサーの役割と種類

ガス漏れは、私たちの生活において重大な事故を引き起こす可能性のある、恐ろしいものです。目に見えず、臭いでも気づきにくい場合もあるため、気が付かないうちに充満してしまう危険性も孕んでいます。しかし、そんなガス漏れをいち早く感知し、私たちに警告を発してくれる心強い味方が、ガスセンサーです。ガスセンサーは、空気中に漂う微量のガスを検知するセンサーです。家庭でよく使われる都市ガスやプロパンガスに含まれる成分に反応し、ガス漏れが発生すると、音や光、または音声で警告を発します。これにより、住人はガス漏れにいち早く気づくことができ、窓を開けて換気をしたり、ガスの元栓を閉めたりといった適切な処置を迅速に行うことが可能になります。また、最近のガスセンサーの中には、スマートフォンと連携して、外出先でもガス漏れを知らせてくれる機能が搭載されているものもあります。この機能があれば、たとえ家にいなくても、ガス漏れが発生した際にすぐに対応することができます。ガスセンサーは、私たちの生活を守り、安全を確保するために非常に重要な役割を担っています。目に見えない脅威から身を守るためにも、ガスセンサーの設置を検討してみてはいかがでしょうか。
火災への備え

命を守る消火器:家庭への備えで安心を

火災は、私たちの生活の中で、いつどこで発生するかわからない脅威です。発生した火災を早期に消火し、被害を最小限に抑えるためには、消火器の存在が非常に重要です。消火器は、火災の初期段階において、私たち自身の手で消火活動を行うことを可能にする、大変頼りになる道具です。火災は、発生してから時間が経つにつれて、炎の勢いが増し、燃え広がる速度も加速します。もし、初期の段階で消火活動ができなかった場合、炎は瞬く間に大きくなり、自分たちだけの力で消し止めることは非常に困難になります。さらに、火災が大きくなると、部屋中に煙が充満し、視界が悪くなるだけでなく、有毒なガスが発生し、呼吸が困難になる危険性も高まります。このような状況下では、避難経路を見つけ出すことが難しくなり、逃げ遅れてしまう可能性も高まります。そのため、火災を発見したら、すぐに消火器を用いて初期消火を行うことが、自身の命を守るためにも、そして、周囲の人々の安全を守るためにも、非常に重要なのです。
その他

気温と防災:知っておきたい熱中症対策

- 気温ってなに?気温とは、私たちが毎日生活する中で感じる、空気の冷たさや暖かさを表す数字のことです。天気予報でよく耳にする「今日の気温は…」の「気温」も、まさにこの空気の温度を指しています。では、この気温はどうやって測っているのでしょうか? 実は、気温を測る時には「百葉箱」と呼ばれる白い箱が使われています。この百葉箱は、公園や学校など、様々な場所で見かけることができますね。百葉箱は、直射日光の影響を受けないように、風通しの良い日陰に設置されます。そして、地面から1.5メートルの高さに設置することで、地面からの熱の影響も受けにくくしています。こうして、太陽の光や地面の熱の影響を最小限に抑えることで、より正確な気温を測ることができるのです。
その他

気候変動に備える防災対策

- 気候とは気候とは、ある地域で長い期間にわたって観測される天気の平均的な状態のことを指します。天気は、日々の気温や湿度、雨や風の強さなど、目まぐるしく変化しますが、気候は数十年にわたる観測データに基づいた、より長いスパンでの大気の状態を表すものです。気候を特徴づける要素は様々です。 気温は、太陽からの熱エネルギーによって変化し、地球上の場所によって大きく異なります。赤道付近は太陽光を多く受けるため高温になりやすく、逆に極地は太陽高度が低いため寒冷になります。湿度、つまり空気中の水蒸気量も、気候を左右する重要な要素です。海や湖など、水源の近くに位置する地域は湿度が高く、内陸部は乾燥しやすくなります。降水量、すなわち雨や雪の量も、気候を特徴づける要素の一つです。山脈に囲まれた地域では、湿った空気が山肌にぶつかり上昇気流が発生することで、雨が多くなる傾向があります。一方、山脈を挟んで反対側の地域では、乾燥した風が吹き降りるため、雨が少ない乾燥地帯となることが多いです。さらに、風も気候に影響を与えます。常に一定方向に吹く風は、その地域の気温や湿度に影響を与え、気候を形成する一因となります。私たち人間を含む、地球上のあらゆる生物は、それぞれの地域特有の気候に適応して生きてきました。例えば、温暖で雨量の多い地域には、植物が生い茂り、緑豊かな森林が広がっています。一方、乾燥した地域では、水分の少ない環境でも生きていける植物が育ち、砂漠が広がっています。このように、気候は、私たちの生活や文化、そして地球全体の生態系にとって、非常に重要な要素と言えるでしょう。
その他

安全確保のために: 避難の基礎知識

- 避難とは何か避難とは、地震や台風、大雨など、自然の力によって引き起こされる災害や、火災や事故といった人為的な災害が発生した時、あるいは発生する恐れがある時に、危険が迫っている場所から、安全が確保されている場所へ移動することを意味します。具体的には、自宅や職場、学校など、普段生活している場所が危険にさらされた場合、それぞれの災害に備えてあらかじめ指定されている安全な場所、例えば、避難所や親戚・友人の家などへ移動することです。 これは、自分の命を守るために、そして被害を最小限に抑えるために非常に重要な行動です。避難が必要となる状況は、災害の種類や規模によって異なります。そのため、日頃から、自分が住んでいる地域にはどのような災害リスクがあるのかを把握しておくことが重要です。 また、それぞれの災害に対して、どのような避難行動をとるべきか、家族や地域と話し合っておくことも大切です。避難は、ただ安全な場所へ移動することだけを指すのではありません。安全な場所へ移動した後も、安全が確保されるまでの間、その場所で待機することも避難に含まれます。 状況によっては、数時間、あるいは数日間、避難生活を送る必要も出てきます。そのため、非常持ち出し袋の準備など、いざという時のための備えをしておくことが重要です。
火災への備え

避難誘導灯:いざという時の命の光

- 避難誘導灯とは火災や地震などの災害時、煙で視界が遮られたり、停電で暗闇に包まれたりすると、パニックに陥りやすく、落ち着いて行動することが難しくなります。 そのような状況下で、安全な場所へ避難するための経路を示してくれるのが避難誘導灯です。避難誘導灯は、「火災の際、煙が充満した室内においても視認できる」ように、消防法によって設置場所や明るさ、色などが厳密に定められています。 緑色の背景に白い人型のピクトグラムで表示されているものが一般的で、普段はあまり意識することがないかもしれません。しかし、いざという時に私たちを安全に導く、まさに「命の光」といえるでしょう。避難誘導灯には、常に電気が供給されているものと、停電時に自動的に点灯するものの2種類があります。前者は、普段から点灯しているため、火災発生時にも消灯している他の照明との区別がつきやすいというメリットがあります。後者は、停電時でも確実に点灯するため、より安全性を重視した設計といえます。避難誘導灯は、私たちの命を守る上で非常に重要な役割を担っています。 日頃から設置場所や点灯状況を確認しておくことが大切です。そして、いざという時に落ち着いて行動できるように、避難経路をしっかりと確認しておきましょう。
火災への備え

火災から命を守る! 初期消火の重要性

- 初期消火とは火災は、ひとたび発生してしまうと、あっという間に燃え広がり、尊い命や大切な財産を奪ってしまう恐ろしい災害です。火災による被害を最小限に食い止め、安全を確保するためには、火災発生直後の数分間に行う消火活動、すなわち初期消火が非常に重要となります。初期消火とは、火災が発生した直後、まだ火の勢いが小さく、燃え広がりが限定的であるうちに、私たち自身の手で消火活動を行うことを指します。消火器や屋内消火栓などを使用して消火を試みますが、身の安全を最優先に考え行動することが大切です。初期消火は、誰でもできるわけではありません。しかし、日頃から火災に対する備えをしておくことで、いざというときに適切な行動をとることができます。具体的には、消火器の使い方を習得しておくこと、避難経路の確認、家族間での避難訓練の実施などが挙げられます。火災はいつ、どこで発生するか分かりません。初期消火の重要性を認識し、日頃から火災に対する心構えをしておくことが、安全な暮らしを守ることに繋がります。
制度

火山災害警戒地域 – あなたの安全を守る備えとは

- 火山災害警戒地域とは火山は雄大な自然の象徴として私たちを魅了する一方で、ひとたび噴火すれば溶岩や火山灰、噴石などを噴出し、私たちの生活に大きな被害をもたらす危険性をはらんでいます。また、噴火に伴い発生する火砕流や土石流も、その破壊力の大きさから、居住地域に甚大な被害をもたらす可能性があります。このような火山災害から人々の命と安全を守るため、国は「火山災害警戒地域」を指定し、特に警戒を呼びかけています。 火山災害警戒地域とは、火山活動によって生命または身体に危害が生じる、あるいは住宅や家財に損害が生じるおそれがあると認められる地域です。具体的な指定基準としては、過去の火山活動の状況や、将来発生する可能性のある噴火の規模、さらに地形や土地利用状況などが考慮されます。そして、区域内への立ち入りを規制する必要があると判断された場合には、「警戒区域」に指定され、状況に応じて立ち入り規制などの措置が取られます。日本は世界有数の火山国であり、いつどこで火山災害が発生してもおかしくありません。火山災害警戒地域に指定されている地域はもちろんのこと、火山周辺に居住している場合は、日頃からハザードマップを確認するなど、いざという時のための備えをしておくことが重要です。
その他

噴火の脅威: 火山砕屑物とは?

- 火山砕屑物の定義火山砕屑物とは、火山活動によって噴き上げられる、溶岩以外のあらゆる固形物のことを指し、「火砕物」とも呼ばれます。火山が噴火する際には、溶岩だけでなく、大小様々な岩石や高温のガスなどが噴出されます。このうち、溶岩以外の固体物全体をまとめて火山砕屑物と呼びます。火山砕屑物は、その大きさによって、火山灰、火山礫、火山岩塊、火山弾などに分類されます。火山灰は、直径2ミリメートル以下の非常に細かい粒子で、広範囲に拡散し、太陽光を遮ったり、呼吸器系に影響を及ぼしたりするなど、私たちの生活に大きな影響を与える可能性があります。一方、火山礫は直径2ミリメートルから64ミリメートルまでの岩石片、火山岩塊は直径64ミリメートル以上の大きな岩石の塊です。これらは、噴火口から勢いよく放出され、建物を破壊したり、火災を引き起こしたりするなど、甚大な被害をもたらす可能性があります。火山弾は、噴火時に溶岩が空中で冷え固まってできる、紡錘形や球形などの特徴的な形をした岩石です。その大きさは数センチメートルから数メートルにもなり、落下地点周辺に大きな被害をもたらすことがあります。想像を絶する轟音とともに、空高く噴き上げられ、周辺地域に降り注ぐ火山砕屑物は、まさに火山の脅威を象徴する存在と言えるでしょう。
制度

私たちの暮らしと「特定事象」

「特定事象」という言葉は、普段の生活ではほとんど耳にすることがないかもしれません。しかし、これは私たちの生活と原子力災害への備えにおいて、大変重要な意味を持つ言葉です。原子力災害対策特別措置法という法律の中で、「特定事象」は原子力施設で起こる可能性のある異常事態を示す基準として定められています。この法律は、原子力発電所などの施設で事故が起きた場合に、国民の生命、身体、財産を守るための対策を迅速かつ的確に行うことを目的としています。「特定事象」は、原子力施設において起こる可能性のある様々な異常事態のうち、特に住民の避難や被ばく防護対策が必要となるような、緊急性・重要性の高い事象を指します。具体的には、原子炉の冷却機能の異常や放射性物質の漏えいなど、深刻な事態に発展する可能性のある事象が定められています。これらの事象が発生した場合、原子力事業者は直ちに国や地方公共団体に報告し、迅速な対応が求められます。また、国や地方公共団体は、住民への情報提供や避難指示など、必要な対策を速やかに実施します。原子力災害は、ひとたび発生すると広範囲に甚大な被害をもたらす可能性があります。そのため、「特定事象」を正しく理解し、原子力災害に対する備えをしておくことが重要です。日頃から、国や地方公共団体が発信する情報に注意するとともに、避難経路や避難場所の確認、防災用品の準備など、いざという時に備えておくことが大切です.
火災への備え

熱感知器:住宅火災から命を守る

- 熱感知器とは火災が発生すると、炎や煙が発生するのと同時に、周囲の温度も急激に上昇します。熱感知器はこの熱を感知して、警報音で火災発生を知らせる重要な防災機器です。住宅火災において、初期段階で火災を感知することは、被害を最小限に抑え、命を守る上で極めて重要です。熱感知器は、周囲の温度がある一定以上に達すると、内部の金属部品やセンサーが反応し、警報音を鳴らします。この警報音によって、居住者は火災にいち早く気づくことができ、避難などの初期対応を迅速に行うことが可能になります。また、熱感知器の中には、自動的に消防署へ通報する機能が搭載されているものもあり、より迅速な消火活動に繋がることで、被害を最小限に食い止める効果も期待できます。住宅火災による被害を最小限に抑え、命を守るためには、早期発見が何よりも重要です。熱感知器は、私たちの生活空間を見守る、頼もしい防災パートナーと言えるでしょう。
インフラを守る

都市の lifeline 、とう道とは?

- とう道ってなに?私たちの暮らしは、電気やガス、水道、インターネットなど、様々なライフラインによって支えられています。では、これらのライフラインは、どうやって私たちの元に届いているのでしょうか?実は、これらのライフラインを支えるケーブルやパイプラインは、「とう道」と呼ばれる地下トンネルの中に収容されていることが多いのです。とう道は、まるで地下に張り巡らされたライフラインの専用道路のようなものです。都市部では、電柱や電線などが地上の景観を損ねてしまうことがあります。また、道路の下にライフラインをそれぞれ個別に埋設すると、道路の掘り返し工事が頻繁に発生し、交通渋滞や騒音の原因となってしまいます。そこで、とう道の登場です。ライフラインをまとめてとう道に収容することで、電柱や電線を減らし、都市の景観を美しく保つことができます。また、道路の掘り返し工事も減らすことができるため、交通渋滞の緩和や騒音の減少にもつながります。さらに、とう道は地震などの災害時にも強みを発揮します。ライフラインをまとめて保護することで、断線や破損のリスクを減らし、災害時でも安定した供給を維持することができます。このように、とう道は私たちの暮らしを支える、重要な役割を担っているのです。
その他

原子力災害と屋内退避

- 原子力災害における屋内退避とは原子力災害が発生した場合、私たちの身の安全を守るための行動として「屋内退避」があります。これは、原子炉から放出された放射性物質から身を守るため、家屋など頑丈な建物の中に留まり、外出すべきでない状況を指します。放射性物質は目に見えず、臭いもしないため、気づかないうちに体内に取り込んでしまう危険性があります。 屋外にいる際に放射性物質が放出された場合、吸い込んでしまったり、皮膚に付着したりするリスクが高まります。 そのため、屋内退避の指示が出たら、速やかに安全な場所に避難することが重要です。家屋は、放射性物質の侵入を一定程度防ぐ効果があります。 コンクリート造りの建物はより効果が高く、木造であっても屋内にいることで放射線量を低減することができます。窓やドアを閉め、換気扇も止めることで、放射性物質の侵入をさらに抑えることができます。屋内退避中は、テレビやラジオ、インターネットなどから情報収集を行い、落ち着いて行動することが大切です。指示があれば、安定ヨウ素剤の服用も検討しましょう。原子力災害は、いつどこで起こるかわかりません。日頃から、屋内退避の方法や避難場所などを確認しておくことが重要です。
制度

3月11日は何の日?できることから始めよう!

毎年3月11日は、栃木県が定めた「とちぎ防災の日」です。2011年3月11日に発生した東日本大震災は、私たちに計り知れない恐怖と、多くの教訓を与えてくれました。未曾有の被害をもたらしたこの震災を、決して風化させてはなりません。栃木県では、この震災を教訓として、県民一人ひとりの防災意識を高め、災害への備えをより確実なものとするため、3月11日を「とちぎ防災の日」と定めました。この日をきっかけに、自分の身を守るための行動について、家族や地域で話し合ってみましょう。また、自宅や職場での家具の固定、非常持ち出し品の準備、避難場所や避難経路の確認など、具体的な防災対策を見直す機会としてください。地震はいつ、どこで起きてもおかしくありません。日頃から防災を意識し、「自助」「共助」「公助」の連携を強化することで、被害を最小限に抑えることができます。いつ起こるかわからない災害から、大切な命と暮らしを守るために、「とちぎ防災の日」を、防災について考える一日としてください。