血液浄化法

その他

プラズマフェレシス:血液浄化で病魔に立ち向かう

- プラズマフェレシスとは私たちの体の中を巡っている血液は、酸素を運ぶ赤い細胞(赤血球)や、体を守る白い細胞(白血球)といった細胞成分と、栄養やホルモンを運ぶ液体成分(血漿)で出来ています。プラズマフェレシスとは、血液の中から、体に悪い影響を与える物質を取り除き、血液を綺麗にする治療法です。この治療では、まず患者さんの体内から血液を少しづつ体外に取り出します。そして、取り出した血液を特別な機械に通します。この機械の中では、血液の中の細胞成分と血漿成分が分けられます。体に悪い物質は、血漿の中に溶け込んでいるため、悪い物質を含んだ血漿だけを捨て、残った細胞成分は患者さんの体内に戻します。捨てられた血漿の代わりに、新しい血漿成分や、人の体液に近い成分でできた代用液を患者さんの体内に入れます。プラズマフェレシスは、様々な病気に効果があるとされ、神経系の病気や、血液の病気、免疫の病気など幅広い病気の治療に用いられています。
その他

持続的血液濾過透析法:生命を支える高度な血液浄化技術

- 持続的血液濾過透析法とは持続的血液濾過透析法(CHDF)は、従来の血液透析とは異なり、24時間以上という長時間にわたり、ゆっくりと血液を浄化する治療法です。この治療法は、まるで体の中に小さな腎臓があるかのように、休みなく血液を浄化し続けることができます。CHDFでは、血液を体外へ取り出し、人工的に作った特殊な膜に通します。この膜には、目に見えないほど小さな穴が無数に開いており、血液中の老廃物や余分な水分だけを通過させることができます。不要なものは取り除かれ、浄化された血液は再び体内に戻ります。CHDFの最大の特徴は、従来の血液透析に比べて、体に優しい治療だということです。従来の方法では、短時間で集中的に血液を浄化するため、体に負担がかかってしまうことがありました。しかし、CHDFは長時間かけてゆっくりと浄化を行うため、体の負担を軽減することができます。このため、心臓や血管の状態が不安定な方や、重症の病気で体力が低下している方でも、安心して治療を受けることができます。
けが人へ医療

生命を支える血液浄化法:その役割と種類

- 血液浄化法とは人間の体には、不要なものを体外へ排出する働きが備わっています。腎臓もその役割を担う臓器の一つで、血液をろ過し、老廃物や余分な水分を尿として排出しています。しかし、腎臓の機能が低下すると、体内に老廃物が蓄積し、様々な症状が現れます。血液浄化法は、低下した腎臓の働きを補い、血液を浄化する治療法です。血液浄化法には、大きく分けて「血液透析」と「血液濾過」の二つの方法があります。血液透析は、透析器と呼ばれる装置を用いて、血液と透析液という特殊な液体を、半透膜を介して接触させます。この時、濃度の差を利用して、血液中の老廃物や余分な水分を透析液側に移動させ、除去します。血液濾過は、血液を特殊なフィルターに通すことで、老廃物や余分な水分をろ過する方法です。体への負担が比較的少なく、体に優しい治療法として知られています。これらの治療法は、腎臓の機能が低下した腎不全の患者さんに行われるほか、重症の心臓病や糖尿病、一部のがんなどの治療にも用いられています。血液浄化法は、患者さんの生活の質を維持し、生命を prolong する上で、非常に重要な役割を担っています。
感染症から守る

エンドトキシン吸着療法:敗血症治療の革新

- エンドトキシン吸着療法とはエンドトキシン吸着療法は、血液の中に存在する毒素であるエンドトキシンを取り除く治療法です。私たちの体内では、通常、免疫システムが細菌などの病原体と戦ってくれています。しかし、細菌の中には、グラム陰性菌という種類があり、その細胞壁の外膜にはエンドトキシンという毒素が含まれています。グラム陰性菌が血液中に侵入し、増殖すると、エンドトキシンが血液中に放出され、敗血症と呼ばれる重篤な病態を引き起こすことがあります。敗血症は、過剰な免疫反応によって臓器障害やショック状態を引き起こし、命に関わることもある恐ろしい病気です。エンドトキシン吸着療法では、血液を体外循環させながら、エンドトキシンだけを吸着する特殊なフィルター(カラム)に通すことで、血液を浄化します。この治療法によって、血液中のエンドトキシン濃度を低下させ、敗血症の症状を改善させる効果が期待できます。エンドトキシン吸着療法は、主にグラム陰性菌感染による敗血症の治療に用いられます。ただし、この治療法単独ですべての敗血症を治せるわけではなく、抗菌薬による治療などと併用されることが一般的です。