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めまいと失神にご用心! アダムス・ストークス症候群とは

私たちの体にとって、心臓は休むことなく全身に血液を送る重要な役割を担っています。この心臓の動き、つまり拍動のリズムが乱れると、様々な体の不調につながることがあります。その一つに「アダムス・ストークス症候群」と呼ばれる病気があります。アダムス・ストークス症候群は、心臓の拍動リズムが乱れることで発症します。心臓は、規則正しいリズムを刻むことで、全身に血液を送り出すポンプのような働きをしています。しかし、このリズムが乱れると、血液を送り出す力が弱まり、十分な血液が全身に行き渡らなくなることがあります。特に、脳は酸素を多く必要とする器官であるため、血液の流れが悪くなると、酸素不足に陥りやすい状態になります。アダムス・ストークス症候群では、一時的に脳への血流が不足することで、めまいやふらつき、意識が薄れる、といった症状が現れます。重症の場合には、意識を失ってしまうこともあります。このように、アダムス・ストークス症候群は、心臓のリズムの乱れが、脳へと影響を及ぼすことで引き起こされる病気です。
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沈黙の脅威:門脈圧亢進症を知る

- 門脈圧亢進症とは私たちの体には、全身に栄養を運ぶための血管が網の目のように張り巡らされています。その中でも、「門脈」は胃や腸、脾臓といった臓器から栄養分を豊富に含んだ血液を集め、肝臓へと運ぶ重要な役割を担っています。この門脈内の圧力が、何らかの原因で異常に高くなってしまう病気を、門脈圧亢進症と言います。門脈内の圧力は、通常100~150mmH2Oの範囲に保たれています。しかし、この圧力が200mmH2O以上になると、門脈圧亢進症と診断されます。これは、まるでたくさんの車が行き交う道路で渋滞が発生しているような状態です。門脈の圧力が高まると、血液がスムーズに流れなくなり、様々な症状が現れます。門脈圧亢進症の原因として最も多いのは、肝臓の病気です。肝臓は、門脈から流れ込む血液を浄化したり、栄養を蓄えたりする働きをしています。しかし、肝硬変や肝臓がんなどで肝臓の機能が低下すると、門脈内の血液の流れが悪くなり、圧力が高くなってしまいます。その他にも、門脈の本幹が詰まったり、心臓の機能が低下したりすることによっても、門脈圧亢進症が起こることがあります。門脈圧亢進症は、放置すると様々な合併症を引き起こす可能性もあるため、早期発見と適切な治療が重要です。
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命を守る知識:肺うっ血とその基礎

- 肺うっ血とは?私たちは、呼吸をすることで、体の中に酸素を取り込み、不要になった二酸化炭素を排出しています。この大切な役割を担っているのが肺です。肺の中には、肺胞と呼ばれる小さな袋がたくさんあり、ここで血液に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するガス交換が行われています。肺うっ血とは、この肺胞周辺の血管に血液が必要以上に溜まってしまう状態を指します。心臓は、体全体に血液を循環させるポンプのような役割を担っていますが、この心臓に何らかの異常が起こり、血液をうまく送り出せなくなると、肺に血液が滞ってしまうことがあります。これが肺うっ血です。つまり、肺うっ血は、肺そのものの病気ではなく、心臓の機能と密接に関係しているといえます。心臓のポンプ機能が低下することで、肺の血管に負担がかかり、血液が過剰に溜まってしまうのです。
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突然死:その原因と予防について

- 身近に潜む突然死の脅威健康に過ごしていた人が、ある日突然、命を落とす「突然死」。ニュースなどで目にすることもありますが、決して他人事ではありません。交通事故などの外からの要因で亡くなる場合を除き、心臓や脳など、体の中で起こる病気が原因で、発症してから24時間以内に亡くなる場合を指します。突然死は、私たちのすぐそばに潜む脅威と言えるでしょう。突然死の主な原因として、心臓の病気が挙げられます。なかでも、心臓の血管が詰まってしまう急性心筋梗塞や、心臓の筋肉が厚くなる肥大型心筋症などが代表的です。また、脳の血管が破れたり詰まったりする脳卒中も、突然死を引き起こす重大な病気です。その他、気管支喘息の発作や、アレルギー反応によるアナフィラキシーショックなども、突然死の原因となり得ます。突然死は、その予兆に気づくことが難しい場合も少なくありません。しかし、日頃から健康的な生活習慣を心がけることで、リスクを減らすことは可能です。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、喫煙は避け、過度な飲酒は控えましょう。また、健康診断を定期的に受診し、自身の体の状態を把握しておくことも大切です。万が一、突然死が起きた場合には、一刻も早い救命処置が必要です。周囲の人が心肺蘇生などの応急処置を行うことによって、命を救える可能性があります。また、AED(自動体外式除細動器)の使用も有効です。いざという時のために、心肺蘇生法やAEDの使い方を習得しておくことをお勧めします。
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旅行中のリスク!エコノミークラス症候群にご注意を

- 静脈血栓症とは?静脈血栓症は、体の静脈の中に血液の塊(血栓)ができてしまう病気です。この血栓によって血液の流れが阻害され、様々な症状を引き起こします。特に、足の深いところにある静脈に血栓ができる場合は深部静脈血栓症と呼ばれ、注意が必要です。深部静脈血栓症は、足のむくみや痛み、皮膚の色が赤や青っぽく変化するなどの症状が現れることがあります。血栓が大きくなると、血管が完全に詰まってしまい、深刻な状態になることもあります。深部静脈血栓症は、長時間座り続けることで発症リスクが高まることが知られています。特に、飛行機のエコノミークラスのように、狭い座席で長時間同じ姿勢を続ける場合は注意が必要です。そのため、深部静脈血栓症は「エコノミークラス症候群」とも呼ばれています。しかし、飛行機の座席だけでなく、デスクワークや長距離バスの乗車など、長時間同じ姿勢を続ける場合は、誰でも深部静脈血栓症を発症する可能性があります。こまめな休憩や水分補給、足の運動など、予防を心がけることが大切です。
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知っておきたい心不全:症状と予防

私たちの体は、休むことなく活動を続けるために、常に新鮮な酸素と栄養を必要としています。この大切な役割を担っているのが、心臓という臓器です。心臓は、まるで tireless に動き続けるポンプのように、全身に血液を送り届けるという重要な役割を担っています。しかし、様々な要因によって、この心臓のポンプ機能が低下してしまうことがあります。これが、「心不全」と呼ばれる状態です。心臓のポンプ機能が低下すると、全身に必要な量の血液を送り出すことができなくなり、息切れやむくみ、疲れやすいといった様々な症状が現れます。心不全の原因は多岐にわたり、高血圧や心臓の筋肉が弱くなる病気、心臓弁膜症、糖尿病などが挙げられます。また、加齢も心機能の低下に影響を与える要因の一つです。心不全は、決して珍しい病気ではありません。心臓は、私たちが生きていく上で欠かせない臓器であるため、その機能が低下すると、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。日頃から、バランスの取れた食生活、適度な運動、禁煙など、心臓に負担をかけない生活習慣を心掛けることが大切です。また、心不全の症状に気付いたら、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
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睡眠時無呼吸症候群と交通事故リスク

- 睡眠時無呼吸症候群とは睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に呼吸が何度も止まり、ぐっすり眠ることができない病気です。決して珍しい病気ではなく、多くの人が悩まされています。特に、中高年の男性に多くみられます。この病気の主な原因は、睡眠中に舌やのどの奥にある軟口蓋と呼ばれる部分が、重力によって気道を塞いでしまうことにあります。その結果、十分な酸素が体に取り込めなくなってしまうのです。睡眠時無呼吸症候群になると、日中の強い眠気に悩まされることがあります。また、集中力の低下や倦怠感など、日常生活に支障をきたす症状が現れることもあります。さらに、放っておくと高血圧や心臓病、脳卒中などの深刻な病気を引き起こすリスクも高まります。健康的な毎日を送るためには、睡眠時無呼吸症候群を正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。
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命に関わることもある重症急性膵炎

- 重症急性膵炎とは私たちの体の中にある、食べ物を消化するための液(膵液)と血糖値を調節するホルモンを作る臓器、膵臓。この膵臓に急性の炎症が起こり、出血や組織の壊死を引き起こす病気を急性膵炎と言います。急性膵炎の中でも、特に重症化したものが-重症急性膵炎-です。重症急性膵炎は、単に膵臓だけに留まらず、生命維持に重要な役割を担う他の臓器にも深刻な影響を及ぼします。例えば、呼吸を司る肺や、血液をろ過して老廃物を排泄する腎臓、代謝や解毒を行う肝臓などが、重症急性膵炎の影響を受ける可能性があります。これらの臓器が正常に機能しなくなることで、命に関わるような状態に陥ってしまう危険性もあるのです。さらに、重症急性膵炎は、重篤な感染症を併発するリスクも孕んでいます。例えば、膵臓に膿瘍(うみ)が溜まるなどして、体の抵抗力が弱っているところに、さらに細菌感染などが重なってしまうと、治療がより困難になる可能性があります。このように、重症急性膵炎は命に関わる危険性も秘めた病気であるため、早期発見と適切な治療が非常に重要になります。
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知っておきたい病気:神経因性膀胱

- 神経因性膀胱とは神経因性膀胱とは、脳からの指令を膀胱に伝える神経に障害が起こることで、尿の蓄積と排出がうまくコントロールできなくなる病気です。通常、膀胱に尿がたまると、その情報が神経を通して脳に伝えられます。脳は「今、排尿しても大丈夫か」を判断し、膀胱や尿道周辺の筋肉に指令を出して排尿をコントロールしています。しかし、神経因性膀胱では、この脳と膀胱をつなぐ神経経路が病気や怪我などによって損傷を受けてしまいます。その結果、脳からの指令が膀胱にうまく伝わらず、尿をためたり出したりすることが困難になります。神経因性膀胱を引き起こす原因は様々ですが、代表的なものとしては交通事故による脊髄損傷や、脳卒中、多発性硬化症、パーキンソン病などの神経疾患、糖尿病による神経障害、骨盤内手術の影響などが挙げられます。症状としては、頻尿、尿意切迫感、夜間頻尿、尿失禁、残尿感、尿閉などがみられます。神経因性膀胱は生活の質を著しく低下させる病気ですが、適切な治療やケアを行うことで症状を改善し、快適な日常生活を送ることは可能です。
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限局性腹膜炎:原因と治療法

- 腹膜炎の種類腹膜炎は、お腹の中の臓器を包む膜である腹膜に炎症が起こる病気です。腹膜は、胃や腸などの消化器官を衝撃から守ったり、臓器を正しい位置に保つ役割をしています。この腹膜に細菌感染などが起こると、炎症反応によって激しい腹痛や発熱などの症状が現れます。腹膜炎は、炎症が広がる範囲によって大きく二つに分けられます。一つは、お腹全体に広がる汎発性腹膜炎です。汎発性腹膜炎は、消化管に穴が開いてしまい、そこから腸内細菌などが腹腔内へ漏れることによって起こることが多く、緊急手術が必要となる場合が多い重篤な病気です。もう一つは、炎症が一部に限局する限局性腹膜炎です。限局性腹膜炎は、虫垂炎や大腸憩室炎などの炎症が周囲の腹膜に波及することによって起こります。限局性腹膜炎の場合も、放置すると汎発性腹膜炎に進行する可能性があり、早期の治療が重要です。どちらの腹膜炎も、早期発見・早期治療が非常に重要になります。激しい腹痛や発熱など、気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
感染症から守る

劇症肝炎:沈黙の臓器の悲鳴

- 劇症肝炎とは劇症肝炎は、肝臓に急激な炎症が起こり、肝臓の働きが著しく低下する非常に危険な病気です。健康な肝臓は、私たちの体の中で、まるで工場のように様々な役割を担っています。体にとって有害な毒素を分解したり、健康を維持するための栄養を蓄えたり、食べ物の消化を助ける胆汁を作ったりと、生命維持に欠かせない働きを担っています。しかし、劇症肝炎によって肝臓が正常に機能しなくなると、これらの重要な働きが損なわれてしまいます。その結果、体に様々な影響が現れ、意識がもうろうしたり、出血しやすくなったり、深刻な症状が現れます。劇症肝炎は、ウイルス感染や薬の副作用など、様々な原因で発症する可能性があります。また、発症から短期間で病状が進行することが多く、早期発見と適切な治療が非常に重要になります。劇症肝炎は命に関わる病気ですが、早期に適切な治療を受けることで、回復できる可能性もあります。日頃から、肝臓に負担をかけない生活習慣を心掛け、定期的な健康診断を受けるなど、予防を意識することも大切です。
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命を守る!急性冠症候群の基礎知識

- 急性冠症候群とは?心臓は、体中に血液を送り出すために休むことなく働き続けています。この重要な臓器に栄養豊富な血液を届けているのが、心臓を囲むように張り巡らされた冠動脈です。急性冠症候群は、この冠動脈に突然の変化が起こることで発症する、命に関わる可能性のある危険な状態です。1992年にファスター氏らによって提唱されたこの概念は、簡単に言うと、心臓の血管が急に詰まったり狭まったりすることで、心臓の筋肉に十分な血液が行き渡らなくなる病気です。心臓の筋肉は、血液によって酸素や栄養を供給されています。しかし、急性冠症候群になると、冠動脈の閉塞や狭窄によって心臓への血流が滞り、心臓の筋肉が酸欠状態に陥ってしまいます。これが続くと、心臓の筋肉の一部が壊死してしまう可能性があり、これが一般的に心臓発作と呼ばれる状態です。急性冠症候群は、決して他人事ではありません。心臓発作の主な原因の一つとなっており、一刻も早い医療処置が必要な緊急事態です。そのため、急性冠症候群について正しく理解し、適切な対処法を身につけておくことが重要です。
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命を脅かす病気:急性呼吸促迫症候群とは

- 急性呼吸促迫症候群とは急性呼吸促迫症候群(ARDS)は、肺に大量の水分がたまり、血液中の酸素が不足してしまう、命に関わる深刻な病気です。私たちの肺は、無数の小さな空気の袋、「肺胞」でできています。ARDSを発症すると、この肺胞が炎症によって傷つけられ、十分に機能しなくなります。その結果、血液中に十分な酸素を取り込むことができなくなり、呼吸困難に陥ります。ARDSは、肺炎や敗血症などの特定の病気にかかった後、または重度の怪我をした後に発症することがあります。ARDSは、集中治療室での治療が必要となる重篤な病気であり、場合によっては人工呼吸器による治療が必要となることもあります。ARDSの治療には、酸素吸入や人工呼吸器による呼吸の補助、炎症を抑える薬剤の投与などがあります。また、ARDSの原因となる基礎疾患の治療も重要です。ARDSは重篤な病気ですが、早期に発見し適切な治療を行えば、回復の可能性は高まります。
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命に関わる緊急事態!急性大動脈解離とは?

私たちの体の中には、心臓から送り出された血液を全身に運ぶ、非常に重要な役割を担う血管があります。それが大動脈です。まるで体中に張り巡らされた高速道路のように、大動脈は酸素を豊富に含んだ血液を体の隅々まで届け、私たちが生きていく上で欠かせない働きをしています。しかし、この重要な大動脈に、ある日突然異変が起こることがあります。それが急性大動脈解離と呼ばれる病気です。この病気は、大動脈の壁に亀裂が入り、その亀裂から血液が血管壁の中に流れ込んでしまうことで起こります。まるで高速道路に亀裂が入り、そこから車が入り込んでしまうようなもので、大変危険な状態です。急性大動脈解離は、突然激しい痛みに襲われることが多く、一刻も早く適切な処置を受けなければ命に関わることもあります。日頃から動脈硬化などのリスク因子を減らす生活を心がけ、万が一、突然の胸や背中の痛みに襲われた場合には、ためらわずにすぐに医療機関を受診することが重要です。
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新生児に脅威となる壊死性腸炎

- 壊死性腸炎とは壊死性腸炎は、生まれたばかりの赤ちゃん、特に小さく生まれた赤ちゃんや未熟児に多く見られる病気です。赤ちゃんの腸は、お母さんのお腹の中にいる間は発達段階にあります。そのため、生まれたばかりの時期は腸の機能が未熟で、様々な影響を受けやすい状態です。壊死性腸炎は、何らかの原因で腸の粘膜に炎症が起こり、腸の壁が壊死してしまう病気です。進行すると腸に穴が開いてしまい、命に関わる危険な状態になることもあります。壊死性腸炎の主な症状としては、ミルクの飲みが悪くなる、嘔吐、腹部膨満、血便などが挙げられます。これらの症状は他の病気でも見られることが多いため、注意深く観察する必要があります。壊死性腸炎は早期発見と適切な治療が非常に重要です。もし赤ちゃんに上記の症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
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静かに進行する脅威:間質性肺炎について

- 間質性肺炎とは間質性肺炎は、肺の奥深くで静かに進行する病気です。 私たちの呼吸を支える肺は、空気を取り込む気管支と、その先でぶどうの房のように広がる肺胞で構成されています。 肺胞は、毛細血管と呼ばれる細い血管で覆われており、ここで血液中に酸素を取り込み、不要な二酸化炭素を排出する、ガス交換を行っています。間質性肺炎は、この肺胞と肺胞の周りの組織に炎症が起こり、傷ついてしまう病気です。 健康な肺では、肺胞は弾力があり、呼吸に合わせてスムーズに膨らんだり縮んだりしますが、炎症が続くと、肺胞の壁が厚く硬くなり、弾力を失ってしまいます。 これが肺線維化と呼ばれる状態で、まるで風船がしぼんで固くなってしまったように、肺が膨らみにくくなるため、呼吸が苦しくなってしまうのです。間質性肺炎は、初期の段階では自覚症状が現れにくく、気づかないうちに病気が進行してしまう場合もあります。 しかし、進行すると、息切れや咳などの症状が現れ、日常生活に支障をきたすようになります。 早期発見、早期治療が重要となるため、少しでも気になる症状があれば、医療機関を受診するようにしましょう。
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一過性脳虚血発作:前兆を見逃さないで

- 一時的な脳の危機皆さんは「一過性脳虚血発作」という言葉を聞いたことがありますか? これはTIAとも呼ばれ、脳への血液の流れが一時的に悪くなることで、様々な神経症状が現れる病気です。例えるなら、脳卒中の軽い症状が短時間だけ現れるようなもので、「脳の軽い梗塞」とも呼ばれています。症状としては、手足の麻痺やしびれ、言葉が出にくくなる、ろれつが回らなくなる、ものが二重に見える、ふらつきなど、脳卒中に似た症状が現れます。 ただし、TIAは脳卒中と違って、これらの症状が通常は数分から数時間以内でおさまってしまう点が特徴です。症状がすぐに消えてしまうため、「気のせい」や「疲れ」と勘違いしてしまいがちですが、TIAは決して軽視してはいけません。 なぜなら、TIAは脳梗塞の前触れである可能性が高く、放置すると命に関わるような重い脳梗塞につながる危険性があるからです。実際に、TIAを経験した人の約3割は、その後、脳梗塞を発症すると言われています。もし、TIAと思われる症状が現れたら、すぐに医療機関を受診することが大切です。 早期に適切な治療を受けることで、脳梗塞を予防できる可能性があります。
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知っておきたい異型狭心症:安静時の胸痛にご用心

- 異型狭心症とは?異型狭心症は、心臓の表面を走る重要な血管である冠動脈が、一時的に痙攣を起こすことで引き起こされる病気です。 冠動脈は、心臓自身に酸素や栄養を送り届けるという重要な役割を担っています。 この血管が痙攣を起こすと、心臓が必要とする血液が十分に行き渡らなくなり、様々な症状が現れます。狭心症の中でも、異型狭心症は、一般的な労作性狭心症とは異なる特徴を持っています。労作性狭心症は、運動など心臓に負担がかかった際に症状が現れやすいのに対し、異型狭心症は、安静時や夜間、早朝など、心臓への負担が少ない時間帯に発作が起こりやすい 傾向があります。主な症状としては、胸の痛みや圧迫感が挙げられます。 これは、心臓に十分な血液が行き渡らないことで、心臓が酸素不足に陥るために起こります。 その他にも、息苦しさ、冷汗、吐き気などを伴う 場合もあり、注意が必要です。異型狭心症は、放置すると心筋梗塞などの重篤な心臓病に繋がる可能性もあるため、早期発見と適切な治療が重要です。 もし、安静時や夜間、早朝に胸の痛みや圧迫感などの症状を感じたら、速やかに医療機関を受診しましょう。