浸透圧利尿:体からの水分の排出について
防災防犯を教えて
先生、浸透圧利尿って、どんなものですか?
防災防犯の研究家
そうだね。浸透圧利尿は、簡単に言うと、体の中の水分を尿として出す力のことだよ。例えば、砂糖水をたくさん飲むと、尿の量が増えるだろう?あれと似たようなことが体の中でも起きているんだ。
防災防犯を教えて
砂糖水を飲むと尿が増えるんですか?どうしてですか?
防災防犯の研究家
砂糖水のように、濃度の高いものを飲むと、体の水分を薄めようとして尿が多く出るんだ。浸透圧利尿は、病気の時などにも関係してくるので、よく覚えておくように。
浸透圧利尿とは。
「防災・防犯」とは関係ありませんが、「浸透圧利尿」について説明します。「浸透圧利尿」とは、尿の通り道に、水分を引き寄せる物質が増えることで、水分を体内に吸収しにくくなることで起こる、おしっこの量が増える働きのことです。たとえば、腎臓の働きが急に悪くなった時や、糖尿病で血糖値が高い時などに、この現象が起こります。この時のおしっこの量は、心臓の働きとは関係なく変化するため、適切な対応を取らないと、脱水症状や血液中の電解質のバランスが崩れたり、血液の量が減ってショック状態になったりする危険があります。医療現場では、この「浸透圧利尿」の仕組みを利用した薬として、マンニトールやグリセリンなどが使われています。
浸透圧利尿とは
– 浸透圧利尿とは私たちの体には、不要になったものや余分な水分を尿として体の外に出す仕組みが備わっています。この大切な役割を担っているのが腎臓です。腎臓は、血液をろ過して、老廃物や余分な水分を尿として膀胱へ送り出しています。このとき、腎臓は体の状態に合わせて、必要な水分や電解質を再び血液中に取り込む再吸収という働きも同時に行っています。この巧みな働きによって、体内の水分の量や電解質のバランスは常に一定に保たれているのです。しかし、血液中に浸透圧物質と呼ばれるものが過剰に存在すると、腎臓での水分の再吸収がうまくいかなくなってしまうことがあります。浸透圧物質には、ブドウ糖や尿素など様々なものがありますが、腎臓が再吸収する水の量よりも多くの浸透圧物質が尿に溶け込むことで、水分は尿中に留まりやすくなってしまいます。その結果、尿の量が増えてしまう現象を浸透圧利尿と呼びます。浸透圧利尿は、糖尿病などの病気によって起こることもあれば、点滴などによって人工的に引き起こされることもあります。
浸透圧利尿の仕組み
– 浸透圧利尿の仕組み私たちの体には、血液中の水分や電解質のバランスを調整し、不要なものを尿として排出する腎臓という臓器があります。腎臓の中には、尿細管と呼ばれる細い管が網の目のように張り巡らされています。血液はまず腎臓でろ過され、その後、この尿細管を通る間に、必要な水分や電解質が再び血液中に吸収され、体に戻っていきます。しかし、血液中に通常より多くの浸透圧物質が存在すると、この水分再吸収の仕組みに変化が起きます。浸透圧物質とは、水を引き寄せる性質を持つ物質のことです。血液中の浸透圧物質が増えると、尿細管内の浸透圧も高くなります。すると、水は浸透圧の低い方から高い方へ移動する性質があるため、尿細管から血液中への水分の再吸収が阻害されてしまうのです。浸透圧物質自体は尿細管内に留まりやすいため、結果として水分を引き寄せながら尿として体外へ排出されます。このように、浸透圧物質によって尿量が増えることを、浸透圧利尿と呼びます。浸透圧利尿は、体内の水分量や電解質のバランスを調整する上で重要な役割を担っています。
浸透圧利尿を引き起こす原因
私たちの身体は、体内の水分量や電解質のバランスを一定に保つために、腎臓で尿を生成し、不要なものを排出する仕組みが備わっています。この尿の生成量を調整する働きの一つに、浸透圧利尿というものがあります。浸透圧利尿とは、血液中の特定の物質の濃度が高くなることで、尿量が増加する現象を指します。
浸透圧利尿を引き起こす原因として、代表的なものに糖尿病が挙げられます。糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、その働きが低下したりすることで、血液中のブドウ糖である血糖値が上昇する病気です。この血糖値が高い状態が続くと、血液中のブドウ糖が浸透圧物質として働き、腎臓での水分の再吸収が阻害されて尿量が増加し、浸透圧利尿が引き起こされます。
また、急性腎不全も浸透圧利尿の原因となります。腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として排出する役割を担っていますが、この腎臓の機能が急激に低下した状態が急性腎不全です。腎不全になると、本来は尿として排出されるべき尿素などの老廃物が血液中に増加し、浸透圧物質として作用することで浸透圧利尿を引き起こします。
その他、脳圧降下や眼圧降下を目的として、マンニトールやグリセリンなどの浸透圧利尿薬を投与した場合にも、浸透圧利尿は引き起こされます。これらの薬剤は、血液中の浸透圧を高めることで、組織間液中の水分を血管内に移動させ、尿量を増加させる効果があります。
分類 | 詳細 |
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浸透圧利尿を 引き起こす原因 |
血液中の特定の物質の濃度が高くなることで、尿量が増加する現象 |
糖尿病 | インスリンの不足や作用低下により血糖値が上昇 → 血糖値が浸透圧物質として働き、腎臓での水分の再吸収を阻害 → 尿量増加 |
急性腎不全 | 腎機能の急激な低下 → 尿素などの老廃物が血液中に増加し浸透圧物質として作用 → 尿量増加 |
浸透圧利尿薬 の投与 |
マンニトールやグリセリンなどを投与 → 血液中の浸透圧を高め、組織間液中の水分を血管内に移動 → 尿量増加 |
浸透圧利尿の治療
– 浸透圧利尿の治療浸透圧利尿自体は病気ではありませんが、放置すると体内の水分や電解質のバランスが崩れ、脱水症状や電解質異常を引き起こすことがあります。 このような状態は、放置すると深刻な事態になりかねません。浸透圧利尿の治療で最も大切なことは、その原因となっている病気の治療を行うことです。例えば、糖尿病が原因で浸透圧利尿が起きている場合は、食事療法や運動療法、薬物療法などによって血糖値を適切にコントロールする必要があります。また、急性腎不全が原因の場合は、腎臓の機能回復を目指した治療が行われます。さらに、浸透圧利尿によって脱水症状が認められる場合には、点滴などによって水分を補給する治療も行います。自己判断で水分を摂取し過ぎると、電解質バランスをさらに崩してしまう可能性もあるため、医師の指示に従って適切な量を摂取する必要があります。浸透圧利尿は、命に関わる危険性もはらんでいます。自己判断は大変危険ですので、少しでも異常を感じたら、医療機関を受診し、医師の診断のもと適切な治療を受けるようにしましょう。
浸透圧利尿の治療のポイント | 詳細 |
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根本治療 | 浸透圧利尿の原因となる病気(例:糖尿病、急性腎不全など)の治療を行う。 |
水分補給 | 脱水症状が見られる場合は、点滴等で水分を補給する。ただし、医師の指示に従い、適切な量を摂取する。 |
医療機関受診 | 自己判断は危険。異常を感じたら、医療機関を受診し、医師の診断のもと適切な治療を受ける。 |
日常生活での注意点
浸透圧利尿とは、体内の水分と電解質のバランスが崩れ、尿として水分が過剰に排出されてしまう症状を指します。適切な治療を行えば改善が見込めますが、日常生活においても注意が必要です。
脱水を予防するためには、こまめな水分補給が重要です。のどが渇いていなくても、定期的に水を飲む習慣を身につけましょう。また、食事は栄養バランスを意識し、特に塩分の過剰摂取には注意が必要です。
糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方は、浸透圧利尿のリスクが高まる可能性があるため、より一層注意が必要です。かかりつけの医師の指示に従い、日頃から健康管理に気を配りましょう。
浸透圧利尿の治療で薬を服用中の方は、自己判断で服用を中止せず、必ず医師の指示に従ってください。自己判断による服薬の中止は、症状の悪化につながる可能性があります。