災害現場で役立つSTART法:迅速な救命 triage
防災防犯を教えて
先生、「START」ってどういう意味ですか?防災訓練で聞いたんですけど、よく分からなくて。
防災防犯の研究家
良い質問だね。「START」は「Simple Triage And Rapid Treatment」の頭文字をとった言葉で、事故や災害でたくさんの怪我人が出たときに、早く怪我の程度を見分けて、治療の優先順位を決める方法のことだよ。
防災防犯を教えて
怪我の程度を見分けて、治療の優先順位を決めるんですか?
防災防犯の研究家
そうだよ。災害時は、すぐに病院に行けない場合もあるよね。限られた医療資源の中で、一人でも多くの命を助けるために、まずはじめに誰を治療するべきか、判断する必要があるんだ。STARTはそのための方法なんだよ。
STARTとは。
災害や犯罪に備えるための言葉に「START」というものがあります。「START」は「Simple Triage And Rapid Treatment」のそれぞれの単語の最初の文字を組み合わせた言葉です。これは、事故や災害などが起きた時、特に病院に着く前に、怪我の具合を簡単に判断する方法として、現在、推奨されています。
START法とは
– START法とは
START法とは、「Simple Triage And Rapid Treatment」の頭文字をとった言葉で、日本語では「簡易評価と迅速処置」という意味です。災害現場など、多くの負傷者が発生し、限られた医療資源の中でより多くの命を救うために、負傷者の緊急度を迅速に判定する方法です。
地震や台風など大きな災害が起こると、同時にたくさんの負傷者が発生します。病院は、このような事態にすぐに対応できない状況に陥る可能性があります。このような緊急時において、一刻も早く治療をしなければ命を落としてしまう重症の人を、見た目などである程度判断し、治療の順番を決めることが重要です。
START法では、まず歩くことができるかどうかで、治療の緊急性の高いグループと低いグループに大きく分けます。歩けないと判断された人には、次に呼吸ができているか、脈はあるかなどを確認し、さらにグループを細かく分けていきます。そして、呼吸や脈の状態などから緊急度が高いと判断された人から治療を開始するという手順になります。
START法は、限られた医療従事者でも、迅速かつ効率的に負傷者の緊急度を判断し、多くの命を救うために有効な方法と言えるでしょう。
現場での対応
災害や事故の現場では、迅速かつ的確な対応が求められます。多くの負傷者が発生している状況下では、限られた医療資源を最大限に活用し、一人でも多くの命を救うために、優先順位をつけたトリアージの実施が不可欠です。
START法(Simple Triage and Rapid Treatment)は、このような緊急事態において、迅速かつ容易に負傷者の重症度を判定し、治療の優先順位を決めるための方法です。まず、現場に到着したら、自ら歩けるかどうかを基準に負傷者を分けます。歩ける人は、二次的な被害を防ぐため、安全な場所に避難するように指示します。これは、比較的軽症な人と、そうでない人を視覚的に選別する為の最初のステップです。
次に、歩けないでその場に残っている人に対して、呼吸、脈拍、意識の有無といった生命に関わる重要な徴候を順に確認していきます。これらの指標に基づいて、負傷者を重症度に応じて四つのカテゴリーに分類します。START法は、特別な医療器具を必要とせず、短時間で実施できるという点で、混乱した状況下において非常に有効な方法です。
しかし、START法はあくまでも簡易的なトリアージの方法であることを忘れてはなりません。現場での状況は刻一刻と変化する可能性があり、より詳細な診察が必要となる場合もあります。また、START法で判断された重症度が、必ずしもその後の治療経過と一致するとは限りません。現場での状況を常に把握し、適切な判断と対応を心がけることが重要です。
4つのカテゴリー
災害や事故の現場では、多数の負傷者が発生することがあります。そのような緊急事態において、限られた医療資源を最大限に活用し、一人でも多くの命を救うためには、負傷者の重症度に応じて治療の優先順位を決定する必要があります。この優先順位を決定するために用いられる方法の一つが、START法と呼ばれるものです。
START法では、負傷者を緊急度に応じて、黒、赤、黄、緑の4つのカテゴリーに分類します。まず、意識や呼吸の有無、簡単な指示に従えるかどうかで、救命の可能性を判断します。その結果、残念ながらすでに死亡しているか、救命が極めて困難な状態の負傷者は黒に分類されます。次に、呼吸の速さや脈拍の状態などを確認し、直ちに治療を開始しなければ生命の危険がある重症者を赤に分類します。赤に分類された負傷者は、一刻を争う状態であり、優先的に治療が行われます。黄色は、重症ではあるものの、治療開始に多少の猶予がある中等症の負傷者が分類されます。そして、緑は、軽傷で、治療の緊急性がない負傷者が分類されます。このように、START法を用いることで、客観的な基準に基づいて負傷者を迅速に分類し、それぞれのカテゴリーに分類された負傷者を、対応可能な医療機関へと搬送することができます。
カテゴリー | 重症度 | 状態 | 治療優先度 |
---|---|---|---|
黒 | 死亡または救命不可能 | すでに死亡しているか、救命が極めて困難な状態 | × |
赤 | 重症 | 直ちに治療を開始しなければ生命の危険がある | 最優先 |
黄 | 中等症 | 重症ではあるものの、治療開始に多少の猶予がある | 優先 |
緑 | 軽症 | 軽傷で、治療の緊急性がない | 最後 |
START法の重要性
– START法の重要性大規模な災害が発生すると、多くの人が怪我を負い、医療現場は混乱します。救急隊員や医師は、一人でも多くの命を救うため、最善を尽くしますが、現場に到着するまでには時間がかかるのが現実です。このような状況下では、一般市民が救命活動の最初の担い手となる可能性も少なくありません。START法(災害時トリアージ法)は、限られた医療資源の中で、より多くの命を救うために考案された方法です。呼吸の有無、意識の有無、簡単な指示に従えるかどうかなどの指標に基づいて、負傷者を重症度に応じて分類します。そして、重症者から優先的に治療を行うことで、助かる見込みの高い命を救うことを目的としています。災害現場では、誰もがパニックに陥りやすく、冷静な判断が難しい状況です。しかし、START法を事前に理解しておくことで、いざという時に落ち着いて行動し、適切な判断を下せる可能性が高まります。START法は、特別な医療知識や技術を必要としません。一般市民でも、短時間の講習や訓練を受けることで、簡単に身につけることができます。自分のため、そして大切な人のため、START法を学び、災害に備えましょう。
START法とは | 特徴 | 目的 |
---|---|---|
災害時トリアージ法 | – 呼吸の有無、意識の有無、簡単な指示に従えるかどうかで負傷者を分類 – 重症者から優先的に治療 |
限られた医療資源の中で、より多くの命を救う |
START法の重要性 | START法の効果 |
---|---|
– 大規模災害時、救急隊員や医師が到着するまでに時間がかかる – 一般市民が救命活動の最初の担い手となる可能性もある |
– 冷静な判断が可能になる – 適切な判断で、助かる見込みの高い命を救うことができる |
START法の習得 |
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– 特別な医療知識や技術は不要 – 短時間の講習や訓練で習得可能 |
まとめ
災害発生時、特に大きな事故や災害に見舞われた場合、医療現場は非常に混乱し、迅速な対応が求められます。多くの負傷者が発生する中で、限られた医療資源を最大限に活かすためには、負傷者の緊急度を的確に見極め、優先順位をつけて治療を行う必要があります。このような緊急時において、私たち一般市民でもできることがあります。それがSTART法です。
START法は、特別な医療知識や技術を持たない人でも、簡単な手順と観察で負傷者の緊急度を判断できる方法です。具体的には、まず、歩けるかどうか、反応があるかどうか、呼吸ができているかどうか、といった基本的な項目をチェックしていきます。そして、その結果に基づいて、負傷者を重症度別に分類し、適切な処置を施すための準備を行います。
START法を学ぶことは、自分自身の命を守るだけでなく、周りの人々を助けることにも繋がります。災害はいつどこで起こるかわかりません。いざという時に適切な行動が取れるよう、この機会にSTART法について学び、防災意識を高めておきましょう。
災害時の医療現場の課題 | 解決策 | 一般市民ができること | START法の特徴 | START法の効果 |
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混乱、医療資源不足、迅速な対応が必要 | 負傷者の緊急度に応じた優先順位付け | START法を学ぶ | 特別な知識や技術が不要、簡単な手順と観察 | 自己救命、周囲の人を助ける |