
侵襲後の体の反応:CARSって何?
私たちは日常生活の中で、小さなすり傷や切り傷、時には大きな病気や怪我など、様々な原因で身体に傷を負うことがあります。このような外部からの侵襲に対して、私たちの体は傷を治し、元の状態に戻そうと一生懸命働きます。この時、体内で起こる反応の一つに「炎症反応」があります。炎症反応は、傷ついた組織を修復し、細菌などの病原体から体を守るために非常に重要な役割を担っています。 例えば、指を切ってしまった場合、傷口は赤く腫れ、熱を持ち、痛みを感じます。これは、体内で炎症反応が起きているサインです。炎症反応が起こると、血管が広がり、血液の流れが活発になります。そして、血液中から白血球などの免疫細胞が患部に集まり、細菌や損傷した細胞を攻撃し、排除しようとします。しかし、炎症反応は、時に過剰に起こってしまうことがあります。例えば、花粉症は、花粉に対して免疫システムが過剰に反応し、くしゃみや鼻水などの症状を引き起こすアレルギー反応の一種です。また、関節リウマチなどの自己免疫疾患では、免疫システムが自分自身の細胞を攻撃してしまい、慢性的な炎症を引き起こします。炎症反応は、私たちの体を守るために必要な反応ですが、過剰に反応すると体に悪影響を及ぼす可能性もあります。日頃からバランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけ、免疫力を高めておくことが大切です。