preventable deaths

けが人へ医療

災害と予防できる死

- 災害における「防げる死」とは大規模な災害が発生すると、多くの方が尊い命を失ってしまいます。自然の脅威の前では、人間の力はあまりにも小さく、避けられない別れも当然あります。しかし、その一方で、適切な処置を受けていれば、助かったかもしれないと考えられるケースも存在します。こうした「防げるはずだった死」を『予防できる死』と呼びます。災害医療においては、一人でも多くの命を救うために、この予防できる死を最小限に抑えることが非常に重要な目標となります。「予防できる死」には、大きく分けて二つの種類があります。一つ目は、災害発生直後に適切な処置を受けられなかったために亡くなってしまうケースです。例えば、倒壊した建物や土砂に巻き込まれた際に、適切な救助や応急処置が遅れてしまうことで、助かるはずだった命が失われてしまうことがあります。二つ目は、災害による負傷や体調不良が悪化し、重症化してしまうケースです。避難生活の長期化によるストレスや衛生環境の悪化、持病の悪化などによって、命を落としてしまう方が後を絶ちません。災害医療は、時間との闘いです。一刻も早く被災者を救助し、適切な医療を提供することが、多くの命を救うために不可欠です。そして、そのためには、私たち一人ひとりが、日頃から防災意識を高め、いざというときに適切な行動を取れるように備えておくことが重要です。