pH

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アシドーシス:体の酸性化にご用心

私たちの体は、健康を維持するために、まるで精密な機械のように体内環境を一定の状態に保とうと懸命に働いています。この絶妙なバランス調整機能の一つに、「酸塩基平衡」と呼ばれるものがあります。これは、体の液体が酸性とアルカリ性のどちらに傾いているかを表す指標で、私たちの体は、常に弱アルカリ性に保たれるように調整しています。しかし、様々な要因によってこのバランスが崩れ、体が酸性に傾きすぎる状態になることがあります。これが「アシドーシス」と呼ばれる状態です。アシドーシスは、呼吸が浅くなったり、疲労感が増したり、食欲不振に陥ったりするなど、様々な不調を引き起こす原因となります。また、重症化すると、意識障害や昏睡状態に陥ることもあり、命に関わる危険性も孕んでいます。この酸塩基平衡を維持するためには、日々の食生活が非常に重要です。肉類や糖質の過剰摂取は、体を酸性に傾ける原因となります。逆に、野菜や海藻類など、アルカリ性食品を積極的に摂取することで、酸性に傾きがちな体を中和し、バランスを整えることができます。健康な体を維持するためには、酸塩基平衡を意識した食生活を心がけることが大切です。
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体のSOSを見逃すな!:粘膜内pHでわかること

私たちは日々、呼吸をすることで酸素を取り込み、体中に送っています。この酸素は、体の中で行われる様々な活動のエネルギー源として欠かせないものです。もし、酸素が不足してしまうと、細胞は正常に働かなくなり、体に様々な不調が現れます。酸素不足は、目に見える形で現れるとは限りません。そのため、体の奥深くで起きている酸素不足を早期に発見することは容易ではありません。しかし、最近注目されている「粘膜内pH」を測定することで、血液検査などでは分からない、体の奥の酸素不足の状態を把握できる可能性があります。「粘膜内pH」とは、胃や腸などの粘膜の酸性度を示す数値です。酸性度は、0から14の範囲で表され、数値が低いほど酸性が強く、高いほどアルカリ性が強くなります。健康な状態では、粘膜内pHは弱酸性に保たれています。しかし、酸素不足の状態になると、細胞はエネルギーを生み出すために乳酸を作り出すようになり、その結果、粘膜内pHが酸性に傾くのです。粘膜内pHの変化は、自覚症状が出る前に現れることもあるため、体の奥底で起きている酸素不足のサインを見つけるための重要な指標となります。