Narrative Based Medicine

その他

医療現場におけるNBM:患者中心の医療の実践

- 物語に基づく医療、NBMとはNBMは、Narrative Based Medicineの頭文字をとったもので、日本語では「物語に基づく医療」という意味です。 従来の医療では、検査データや科学的な根拠に基づいて診断や治療を行うことが一般的でした。 しかし、NBMでは、患者さんから病気の経験や思い、生活背景などを「物語」としてじっくりと聞き取ることが重要になります。患者さんの言葉に耳を傾け、その人自身の経験や価値観を理解することで、病気に対するより深い理解を得ようとするのがNBMの特徴です。例えば、同じ病気であっても、患者さんによって症状の感じ方や生活への影響は大きく異なります。また、治療に対する希望や不安も人それぞれです。NBMでは、このような患者さん一人ひとりの個別性に寄り添い、患者さんと医療者が協力して治療方針を決めていきます。 患者さんの「物語」を共有することで、信頼関係を築き、より良い医療を提供することを目指すのがNBMなのです。NBMは、患者さんの心のケアにもつながると期待されています。病気によって生じる不安や苦痛、悩みなどを共有することで、患者さんの心の負担を軽減し、前向きに治療に取り組めるよう支援します。 NBMは、医療現場において、患者さんの視点を取り入れた、より温かい医療を実現するための重要な考え方と言えるでしょう。