
知っておきたい内部被ばく:放射線の人体への影響
私たちが暮らす環境には、目には見えないものの、ごく微量の放射線が常に存在しています。これは自然放射線と呼ばれ、私たちの体も自然放射線の影響を常に受けているといえます。しかし、医療現場でのレントゲン検査や原子力発電所など、人工的に放射線を利用する場所では、被ばく量が増える可能性があるため、注意が必要です。放射線の人体への影響は、被曝の種類によって大きく異なります。大きく分けて、体の外側からの放射線によって被ばくする『外部被ばく』と、体内に放射性物質を取り込むことによって被ばくする『内部被ばく』の二つがあります。外部被ばくは、レントゲン検査のように、体の外から放射線を浴びることで起こります。外部被ばくの場合、放射線源から離れるほど、また、遮蔽物があるほど、被ばく量を減らすことができます。そのため、放射線を利用する施設では、防護服の着用や遮蔽物の設置など、被ばく量を抑えるための対策が厳重に取られています。一方、内部被ばくは、放射性物質を含む食べ物や飲み物を摂取したり、空気中の放射性物質を吸い込んだりすることで起こります。体内に入った放射性物質は、体外に排出されるまで、常に放射線を出し続けるため、長期間にわたって影響が続く可能性があります。内部被ばくを防ぐためには、放射性物質で汚染された食品を摂取しない、汚染地域に不用意に立ち入らないなど、日頃から注意することが大切です。