
視界を遮る靄:その正体と注意点
- 靄とは何か靄(もや)とは、空気中に水滴や湿った小さな粒子が浮かんでいるために、景色が白っぽくぼやけて見える現象のことです。霧と似ていますが、霧よりも水滴の量が少なく、視界は比較的良好です。気象庁の定義では、視程(水平方向の見通せる距離)が1キロメートル以上10キロメートル未満の状態が靄とされています。 これは、霧の定義である「視程が1キロメートル未満」と区別されています。靄は、主に以下の2つの原因によって発生します。1. -水蒸気の凝結- 気温が下がり、空気中の水蒸気が飽和状態を超えると、水滴が生成され、靄が発生します。特に、早朝や夜間、放射冷却によって気温が低下しやすい時間帯に発生しやすくなります。2. -大気中の微粒子- 工場や自動車の排気ガス、煙など、大気中に漂う微粒子が水分を吸収し、大きくなることで靄が発生します。都市部など、大気汚染の影響を受けやすい地域では、このタイプの靄が発生しやすくなります。靄は、霧と同様に、交通機関に影響を与えることがあります。視界が悪くなるため、航空機の発着や、船舶の航行に遅延が生じる可能性があります。また、自動車の運転にも注意が必要です。特に、夜間や早朝は、視界がさらに悪化する可能性があるため、徐行運転を心がけましょう。