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火災への備え

いざという時のために!119番の役割と使い方

火災や急病人の発生など、一刻を争う事態に遭遇した時、私たちが取るべき行動の一つに、専門機関への通報があります。そのための重要な窓口となるのが、火災報知専用電話、一般的に「119番」と呼ばれる番号です。119番は、火災の発生を知らせるだけでなく、急病や怪我など、救急車を必要とする事態にも対応する、緊急通報用の電話番号です。この番号に電話をかけると、通報を受け付けた消防機関の通信指令員につながります。通報する際には、まず落ち着いて、発生している状況を具体的に伝えることが重要です。火災であれば、火災が発生している場所、建物の種類、火元の状況、逃げ遅れた人がいないかなどを伝えます。救急要請の場合は、患者の年齢、性別、症状、意識の有無などを伝えます。119番は、私たちの命と安全を守る上で、非常に重要な役割を担っています。いざという時に慌てずに対応できるよう、日頃から119番の利用方法について、家族や地域で話し合っておくことが大切です。
火災への備え

火災予防条例を知って安全な暮らしを

- 火災予防条例とは火災予防条例は、私たちの生活を守る上で欠かせない法律です。火災は、家や財産を一瞬にして奪い、最悪の場合、命を落とす危険性も孕んでいます。このような恐ろしい火災から、私たちの安全を守るために、それぞれの市区町村が消防法に基づいて定めているのが火災予防条例です。この条例では、火災を防ぐための様々なルールが定められています。例えば、建物内の防火設備の設置や維持管理、火災の原因となりやすい危険物の取り扱い、そして地域住民が協力して行う火災予防運動など、多岐にわたります。火災予防条例の内容は、地域や建物の種類によって異なります。例えば、住宅密集地では、火災の延焼を防ぐために、建物の構造や材質に関する厳しい基準が設けられています。また、飲食店や工場など、火災が発生しやすい場所では、消火器の設置や防火管理者の選任など、より具体的な対策が求められます。火災予防条例は、私たち一人ひとりが、火災の危険性について改めて認識し、積極的に予防に取り組むための指針となるものです。自分たちの命と安全を守るためにも、住んでいる地域の火災予防条例について、一度確認してみることをお勧めします。
その他

火山ガスの危険性と対策

- 火山ガスとは火山ガスは、活火山の火口や噴気孔などから噴き出す気体の総称です。火山が大きく噴火する際には、当然ながら多量の火山ガスが大気中に放出されます。しかし、普段私たちが火山活動を意識しないような時でも、火山ガスは少量ずつ常に放出され続けています。目には見えなくても、私たちの生活圏の空気にも火山ガスが含まれている可能性は否定できません。火山ガスは主に水蒸気からなりますが、その他にも二酸化硫黄、硫化水素、二酸化炭素といった様々な成分が含まれています。これらのガスは、火山活動の状況や場所、時間帯によって変化し、組成や濃度も大きく異なります。火山ガスは、私たちの健康や生活環境に様々な影響を与える可能性があります。 例えば、二酸化硫黄は呼吸器系に影響を与え、咳や呼吸困難を引き起こすことがあります。また、硫化水素は高濃度になると、嗅覚麻痺を起こし、危険を察知できなくなることもあります。さらに、二酸化炭素は空気よりも重いため、窪地に滞留しやすく、酸欠による窒息事故を引き起こす危険性もあります。火山ガスによる被害を避けるためには、火山活動に関する情報に注意し、火山活動が活発な時には、火山に近づかないようにすることが大切です。 また、火山ガスは目に見えないため、火山周辺では、異臭を感じたらすぐにその場を離れる、窪地には入らないなど、日頃から予防対策を心がけるようにしましょう。
その他

火山ガス予報:目に見えない脅威への備え

- 火山ガスとは火山ガスとは、火山活動に伴って火口や噴気孔から噴出される様々な気体の総称です。まるで地球が息をしている証のようで、その成分は驚くほど多岐にわたります。最も多く含まれるのは、無色無臭の水蒸気です。 火山ガスというと危険なイメージがありますが、この水蒸気自体は私たちにとって身近な存在と言えるでしょう。しかし、水蒸気以外にも、二酸化硫黄、硫化水素、二酸化炭素、塩化水素など、人体に有害な成分も含まれているため注意が必要です。特に、二酸化硫黄は刺激臭を持つ気体で、高濃度になると、咳や呼吸困難、目や喉の痛みを引き起こします。また、硫化水素は腐った卵のような臭いを持つ無色の気体で、高濃度では意識を失ったり、死に至ることもあります。火山ガスは目に見えないため、その危険性を認識しにくい場合があります。しかし、火山活動が活発な地域を訪れる際には、火山ガスの危険性を常に意識し、適切な注意を払うことが重要です。
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火山灰から身を守るために

- 火山灰とは火山が噴火する際、溶岩やガスなどとともに噴出される物質の一つに火山灰があります。 灰色や黒っぽいその見た目は、まるで燃えかすの灰のようです。しかし実際には、火山灰は岩石や鉱物が細かく砕かれたものであり、成分は全く異なります。 火山灰の粒は非常に小さく、その直径は2mm以下と定義されています。 砂よりも微細なこの粒子は、遠くまで風に乗って運ばれるため、火口から離れた場所でも降り積もることがあります。時には、風向きや噴火の規模によっては、数百キロメートル、場合によっては数千キロメートル先まで到達することもあります。火山灰は、私たちの生活に様々な影響を及ぼす可能性があります。 例えば、農作物への被害です。火山灰が降り積もると、農作物が光合成できなくなったり、土壌の性質が変わってしまったりする可能性があります。 また、火山灰を吸い込むと、呼吸器系の健康被害を引き起こす可能性もあります。さらに、航空機の運航にも影響を与える可能性があり、視界不良やエンジンへの影響が懸念されます。このように、火山灰は私たちの生活に大きな影響を及ぼす可能性があるため、日頃から防災意識を高めておくことが重要です。
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火山噴火の脅威:巨大な火山岩塊

- 火山岩塊とは火山活動によって生み出される岩石の一つに、火山岩塊があります。これは、噴火の際に火口から勢いよく飛び出す、直径64mm以上の大きな岩石のことを指します。火山岩塊は、その誕生過程によって、大きく二つに分けられます。一つは、火口から噴出した溶岩の塊が空中で冷えて固まったものです。溶岩は、地下深くにあるマグマが地表に噴出したもので、高温でどろどろとした状態です。これが空中を飛んでいる間に冷やされ、固体化することで火山岩塊となります。もう一つは、火口付近にあった岩石が、噴火の衝撃で吹き飛ばされてきたものです。噴火は、想像を絶するエネルギーを伴って起こる現象です。そのため、火口周辺に存在していた岩石も巻き込まれ、遠くまで飛ばされることがあります。これが火山岩塊として、新たな場所に堆積することになります。火山岩塊は、その大きさと形状から、「火山弾」と呼ばれることもあります。これは、その形状が砲丸に似ていることに由来します。火山弾は、噴火の規模や岩石の種類によって、その大きさや形は様々です。中には、数メートルを超えるような巨大なものも存在し、その破壊力は計り知れません。このように、火山岩塊は、火山の持つ巨大なエネルギーを象徴する存在と言えるでしょう。
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暮らしを守る火山砂: その特性と活用法

火山活動が生み出す砂は、その名の通り、火山の噴火によって作り出される砂状の物質です。噴火の際に、火口からは高温の溶岩や岩石が勢いよく噴き出します。これらは空中高く舞い上がった後、急激に冷やされていきます。その過程で、溶岩や岩石は細かく砕け散り、砂のような状態になります。これが火山砂です。火山砂は、一般的な砂浜で見られる砂とは、いくつかの点で異なっています。まず、その成り立ちが異なります。一般的な砂は、長い年月をかけて岩石が風化や侵食によって削り取られてできます。一方、火山砂は、噴火という短期間の出来事によって一気に作り出されます。また、形や色も異なります。一般的な砂は、波や風によって角が取れて丸みを帯びていることが多いです。しかし、火山砂は、砕かれたばかりで角張っているものが多く見られます。色も、火山砂は黒や灰色、茶色など、噴出した溶岩や岩石の種類によって様々な色をしています。このように、火山活動によって生まれた砂は、その独特の生成過程から、一般的な砂とは異なる特徴を持っています。そして、その特徴は、土木建築の材料や、水質浄化など、様々な分野で活用されています。
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夜空を彩る炎の幻想、火映の謎に迫る

夜空に浮かぶ、異様なほどに赤い光。それは、活火山が見せるもう一つの顔、火映です。火映とは、夜間、活火山の火口上空が赤く染まって見える現象のことを指します。まるで山全体が燃え上がっているかのような幻想的な光景を作り出しますが、実際には火口から赤い煙が出ているわけではありません。では、なぜ火映は発生するのでしょうか?それは、火口内にある高温の溶岩や火山ガスなどからの光が、大気中の水蒸気や塵などに反射したり散乱したりすることで、空全体が赤く染まって見えるためです。火映は、火山活動の活発化と関連している場合があり、噴火の前兆現象として捉えられることもあります。そのため、火映が観測された場合は、気象庁などの関係機関から発表される情報に注意を払うことが重要です。火映は、火山が持つ力強さと神秘性を象徴する現象の一つと言えるでしょう。
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火山が織りなす神秘:火口湖の魅力

火山が噴火するとき、地球の奥深くに眠るエネルギーが解き放たれ、私たち人間には計り知れない驚異と、時には恐怖をもたらします。しかし同時に、その噴火は地球の表面を形作り、変えていく、まるで偉大な芸術家のような側面も持っています。そして、火山の噴火によって生まれる自然の造形美の一つに、火口湖があります。 激しい噴火の後、山の頂上付近に大きく開いた火口に、長い年月をかけて静かに水が溜まっていくことで、火口湖は誕生します。まるで鏡のような静かな水面は、過去の激しい噴火の記憶を留めているかのようです。そして、周囲の雄大な景色を映し出し、訪れる人々に深い感動を与えてくれます。 火山活動によって生まれた火口湖は、その成り立ちから、独特の景観と生態系を持つ場合が多く、学術的な価値も高い場所です。また、温泉や美しい景観など、観光資源としても重要な役割を担っています。火口湖は、地球の息吹を感じ、自然の力強さ、そして美しさに心を打たれる場所と言えるでしょう。
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安全確保の要! 火口周辺規制と入山規制を理解する

雄大な姿で私たちを魅了する火山は、温泉や美しい景色など多くの恩恵をもたらしてくれる一方で、噴火や有毒な火山ガスの発生など、人々の生活を脅かす危険性も秘めています。火山の活動は、その規模や発生時期を正確に予測することが難しい場合があり、突然の噴火やガス発生に巻き込まれる危険性は誰にとってもゼロではありません。噴火によって噴出される岩石や火山灰は、広範囲にわたって甚大な被害をもたらします。高温の溶岩流は家屋や森林を焼き尽くし、巨大な岩塊は建物を破壊するほどの威力を持っています。また、空高く噴き上げられた火山灰は、太陽光を遮り、農作物に深刻な被害を与えるだけでなく、呼吸器系疾患を引き起こす可能性もあります。火山ガスは、噴火時だけでなく、火山活動が活発な時期には常に噴出している危険性があります。特に、無色無臭の二酸化硫黄は、高濃度になると呼吸困難を引き起こし、死に至るケースもあるため、注意が必要です。火山は、その美しい姿の裏に大きな危険を秘めていることを認識し、日頃から適切な防災対策を講じておくことが重要です。
火災について

身近な脅威:火災とその予防

火災は、私たちの暮らしに常に付きまとう危険な現象です。「火事」とも呼ばれ、燃えるという現象によって家屋や森林などが被害を受けることを指します。火災は、私たちの財産を奪うだけでなく、場合によっては尊い命を落としてしまう深刻な事態を引き起こす可能性も秘めています。消防庁は、火災を「人の意志に反して発生する燃焼現象で、消火活動が必要となる規模のもの」と定義しています。つまり、私たちの意図しないところで発生する燃焼現象が、周囲に広がり、人々の力だけでは消し止められないほど大きくなった状態を指すのです。火災が発生する原因は様々ですが、大きく分けると、放火のように意図的に火を使う行為、たばこの火の不始末や電気機器の誤った使用などによる不注意による発生、そして漏電や自然現象など予期せぬ原因による発生の三つに分類できます。いずれの場合も、火災は私たちの生活に甚大な被害をもたらす可能性があることを忘れてはなりません。
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知っておきたい!深部体温「核温」とは?

私たちの体の温度は、場所によって違うことを知っていますか?体温には、大きく分けて「核温」と「体表温」の二つがあります。 体表温は、皮膚の温度のことです。気温や湿度の影響を受けやすく、常に変化しています。例えば、寒い外にいると、皮膚の温度は下がり、温かい部屋に入ると、皮膚の温度は上がります。一方、核温は体の深部の温度のことです。脳や心臓、肝臓などの大切な臓器がある体の奥深くの温度を表しています。核温は、体表温のように周囲の温度に左右されにくく、ほぼ一定に保たれています。これは、私たちの体が、生きていくために必要な機能を維持するために、重要な臓器の温度を一定に保つように調節しているからです。体温を測る時は、通常、体表温を測っています。体温計を使う場所によって、得られる温度が異なるのはこのためです。脇の下で測る体温は、口の中や耳の中で測る体温よりも低くなります。これは、脇の下の皮膚が、他の場所よりも外気に触れにくく、温度が低いためです。健康な状態を保つためには、核温を一定に保つことが大切です。体温調節機能が正常に働かなくなると、熱中症や低体温症などを引き起こす危険性があります。
その他

活性炭:小さな粒に秘められた大きな力

- 活性炭とは活性炭は、木炭や石炭などを原料として作られる、多孔質の炭素物質です。その構造は、小さな孔が無数に開いた、まるでミクロの世界の迷路のようです。この孔のサイズや形状は、原料や製造方法によって異なりますが、その表面積は驚くほど広く、例えば、わずかスプーン一杯の活性炭の表面積は、テニスコート一面に匹敵するほどの広さに達します。活性炭の最大の特徴は、この無数の孔が持つ、様々な物質を吸着する力です。空気中や水中の臭い物質、色素、有害物質などが、この孔の内部に捕らえられ、除去されます。この吸着力は、物理的な現象と化学的な現象の両方が複雑に組み合わさって発揮されます。活性炭は、その優れた吸着性能を活かして、浄水場での水の浄化、空気清浄機や冷蔵庫の脱臭、食品や医薬品の精製など、私たちの生活の様々な場面で利用されています。また、近年では、環境浄化やエネルギー貯蔵の分野でも注目を集めています。
感染症から守る

命を守るために知っておきたいカテーテル感染

- カテーテル感染とは何か病院で治療を受ける際に、血管に管を入れる医療行為を受けることがあります。これは、点滴や栄養剤の投与、血液検査など、様々な治療に必要な場合に行われます。この血管に入れる管のことをカテーテルと呼びます。カテーテルは、患者さんの治療をスムーズに進める上で、とても大切な役割を担っています。しかし、このカテーテルを介して、細菌やカビなどの病原体が体内に侵入し、感染症を引き起こしてしまうことがあります。これがカテーテル感染です。カテーテル感染は、決して珍しいものではありません。入院している患者さんにとって、誰にでも起こりうる可能性があります。特に、病気や治療の影響で免疫力が低下している患者さんや、長期にわたってカテーテルを使用しなければならない患者さんは、注意が必要です。カテーテル感染は、発熱や患部の腫れ、痛み、膿など、様々な症状を引き起こします。重症化すると、敗血症など、命に関わる危険な状態に陥ることもあります。そのため、カテーテル感染を予防するために、医療従事者は、カテーテルを挿入する際には徹底した衛生管理を行い、患者さん自身も、手洗いをこまめに行うなど、清潔を心がけることが重要です。
その他

命を救う!冠インターベンション治療とは?

- 心臓の血管の詰まりを解消!心臓は、体全体に血液を送り出す重要な臓器です。そして、その心臓自身にも栄養を届けるための血管が存在します。それが冠動脈と呼ばれる血管です。毎日休むことなく働き続ける心臓にとって、冠動脈はまさに生命線と言えるでしょう。しかし、この冠動脈も、加齢や生活習慣の影響などによって、徐々に動脈硬化を起こしてしまうことがあります。動脈硬化とは、血管の内側にコレステロールなどが溜まり、血管が硬く狭くなってしまう状態のことです。水道管に例えると、内側に錆や汚れが付着して、水の通りが悪くなってしまうイメージです。冠動脈が動脈硬化を起こすと、心臓の筋肉に十分な血液が行き渡らなくなり、胸の痛みや圧迫感などの症状が現れます。このような状態を狭心症と呼びます。さらに症状が進行すると、冠動脈が完全に詰まってしまい、心臓の筋肉の一部が壊死してしまうことがあります。これが心筋梗塞です。心筋梗塞は命に関わる危険性も高く、迅速な治療が必要となります。冠インターベンションは、狭窄や閉塞を起こした冠動脈を治療し、心臓の筋肉への血流を改善するための治療法です。カテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入し、風船やステントなどを用いて、狭くなった血管を拡張します。この治療により、心臓への血流が回復し、胸の痛みや圧迫感などの症状が改善されます。また、心筋梗塞の再発予防にも効果が期待できます。
その他

知っておきたい体の指標:換気血流比

私たちは、息を吸うことで酸素を体内に取り込み、息を吐くことで二酸化炭素を体外に出しています。体内に取り込まれた酸素は、血液によって体の隅々まで運ばれます。この酸素を運ぶ血液の流れと、肺で行われる空気の循環(換気)のバランスを示す指標が「換気血流比」です。換気血流比は、肺のガス交換効率を理解する上で非常に重要です。肺の一部において、空気は十分に供給されているにもかかわらず、血液の流れが悪い状態を「死腔様換気」と呼びます。逆に、血液は十分に流れているにもかかわらず、空気の供給が少ない状態を「肺内シャント」と呼びます。換気血流比が適切に保たれている状態では、肺胞で効率的にガス交換が行われ、体内の酸素と二酸化炭素のバランスが保たれます。しかし、病気や環境などの影響で換気血流比が乱れると、息切れや動悸、最悪の場合には意識障害などを引き起こす可能性があります。健康な状態を保つためには、バランスの取れた食事や適度な運動、十分な睡眠など、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。
その他

静かに進行する脅威:間質性肺炎について

- 間質性肺炎とは間質性肺炎は、肺の奥深くで静かに進行する病気です。 私たちの呼吸を支える肺は、空気を取り込む気管支と、その先でぶどうの房のように広がる肺胞で構成されています。 肺胞は、毛細血管と呼ばれる細い血管で覆われており、ここで血液中に酸素を取り込み、不要な二酸化炭素を排出する、ガス交換を行っています。間質性肺炎は、この肺胞と肺胞の周りの組織に炎症が起こり、傷ついてしまう病気です。 健康な肺では、肺胞は弾力があり、呼吸に合わせてスムーズに膨らんだり縮んだりしますが、炎症が続くと、肺胞の壁が厚く硬くなり、弾力を失ってしまいます。 これが肺線維化と呼ばれる状態で、まるで風船がしぼんで固くなってしまったように、肺が膨らみにくくなるため、呼吸が苦しくなってしまうのです。間質性肺炎は、初期の段階では自覚症状が現れにくく、気づかないうちに病気が進行してしまう場合もあります。 しかし、進行すると、息切れや咳などの症状が現れ、日常生活に支障をきたすようになります。 早期発見、早期治療が重要となるため、少しでも気になる症状があれば、医療機関を受診するようにしましょう。
感染症から守る

感染経路を断つ!様々な感染症対策をご紹介

- 感染経路の種類私たちは、目に見えない小さな生き物である「病原体」によって、病気にかかってしまうことがあります。この病原体が、どのようにして私たちの体の中に入ってくるのか、それが「感染経路」です。感染経路には、いくつかの種類があります。まず、「飛沫感染」です。これは、くしゃみや咳をした時に口や鼻から飛び散る、比較的大きな唾液の粒によって病原体が運ばれてくる経路です。この唾液の粒は、空気中をそれほど遠くまで飛ぶことはなく、2メートル程度といわれています。次に、「空気感染」です。飛沫感染よりも小さな、空気中を漂う微粒子によって病原体が運ばれてくる経路です。この微粒子は、長時間空気中を漂うことができるため、遠くまで広がる可能性があります。また、「接触感染」があります。これは、病原体が付着した物に触れることで、私たちの体の中に入ってくる経路です。例えば、ドアノブや手すりなどを触った後、その手で口や鼻を触ってしまうと、病原体が体内に入ってしまうことがあります。さらに、「経口感染」があります。これは、病原体で汚染された飲食物を口にすることで感染する経路です。水道水が十分に消毒されていなかったり、食品が適切に処理・保管されていなかったりすると、この経路で感染が広がることがあります。最後に、「垂直感染」があります。これは、妊娠中や出産時に、母親から胎児や新生児へ、病原体が感染する経路です。これらの感染経路を理解し、それぞれの感染経路に合わせた予防策を行うことが、健康を守る上で非常に重要です。
感染症から守る

命を守る!感染性梗塞の基礎知識

- 感染性梗塞とは感染性梗塞は、体内に侵入した細菌や真菌などの病原体が原因となって血管が詰まり、血液の流れが遮断されることで起こる病気です。その結果、血液が行き渡らなくなった組織は酸素や栄養が不足し、壊死してしまうことがあります。通常、健康な状態であれば、体内に侵入した細菌や真菌は、免疫システムによって排除されます。しかし、病気や加齢、栄養不足などが原因で免疫力が低下していると、細菌や真菌は容易に増殖し、感染性梗塞のリスクが高まります。特に、心臓弁膜症や人工弁置換術を受けた後など、心臓に病気を持つ方は注意が必要です。心臓弁に異常があると、血液の流れが乱れてしまい、細菌が付着しやすくなります。また、人工弁は、体にとって異物であるため、細菌が付着しやすく、感染症のリスクが高まります。感染性梗塞は、命に関わる危険性も高く、早期発見・早期治療が重要です。発熱や倦怠感、息切れ、胸の痛みなどの症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
感染症から守る

病院を守る!感染対策チームの重要性

病院は、病気や怪我を治すために多くの人が訪れる場所です。しかし、多くの人が集まる場所であるという事は、同時に、感染症が蔓延するリスクも高いという事を意味します。病院には、免疫力が低下している患者さんも多く入院しており、感染症にかかると重症化する可能性も高いため、徹底した対策が必要です。病院内で感染症が蔓延してしまうと、入院中の患者さんだけでなく、病院で働く医師や看護師など医療従事者にとっても大きなリスクとなります。医療従事者が感染してしまうと、病院の機能が低下し、適切な医療を提供することが難しくなってしまう可能性もあります。病院内での感染症対策には、患者さん自身の協力も不可欠です。病院を訪れる際には、マスクの着用や手洗い、咳エチケットなどを心掛け、感染予防に努めましょう。また、発熱や咳などの症状がある場合は、事前に病院に連絡し、指示に従うようにしましょう。病院側は、患者さんや医療従事者を守るために、日頃から感染症対策を徹底する必要があります。例えば、院内の清掃や消毒を徹底する、患者さんの隔離や面会制限を行う、職員の健康管理を徹底する、などの対策が考えられます。感染症のリスクと隣り合わせであるという事を、病院を訪れる私たちも、病院で働く人たちも、常に意識しておく必要があります。
感染症から守る

静かなる脅威:ガス壊疽について

- ガス壊疽とはガス壊疽は、傷口から侵入したある種の細菌によって引き起こされる、急速に進行する組織の感染症です。この細菌は、筋肉やその他の組織内でガスを発生させるという特徴があり、これが「ガス壊疽」という名前の由来となっています。ガス壊疽を引き起こす細菌は、土壌や人間の腸内に常在しているものが多く、傷口から体内に入り込むことで感染します。特に、深い傷や、土壌で汚染された傷、銃創や爆発による傷など、組織が大きく損傷している場合に発症しやすくなります。感染初期には、傷口周辺の腫れや痛み、発赤が現れます。その後、患部が急速に腫れ上がり、皮膚の色は赤紫色から青黒く変化していきます。また、触るとパチパチとした音がする場合もあります。さらに、発熱、悪寒、倦怠感、嘔吐などの全身症状が現れ、放置すると敗血症や多臓器不全を引き起こし、死に至ることもあります。ガス壊疽は非常に危険な感染症であるため、早期の診断と治療が不可欠です。治療は、抗生物質の大量投与と、壊死した組織の迅速な外科的切除が中心となります。場合によっては、高圧酸素療法が行われることもあります。ガス壊疽は、適切な傷の処置と早期の医療機関への受診によって予防できる病気です。傷口を清潔に保ち、少しでも異常を感じたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
けが人へ医療

知っておきたい医療用語:片肺換気とは?

- 片肺換気とは片肺換気とは、文字通り、左右どちらか片方の肺だけを使って呼吸をする状態を指します。普段私たちが何気なく行っている呼吸は、左右両方の肺を使っていますが、様々な理由で片方の肺だけが機能し、呼吸を行わなければいけない場合があります。片肺換気になってしまう原因は大きく分けて二つあります。一つは、怪我や病気などによって、意図せず片肺換気の状態になってしまう場合です。例えば、交通事故などで胸部に強い衝撃を受けると、肺が損傷し、空気が漏れてしまうことがあります。これが片方の肺だけで起こると、その肺は膨らんだり縮んだりすることができなくなり、結果として片肺換気の状態になってしまうのです。また、肺炎などの病気によって、片方の肺が機能しなくなる場合もあります。二つ目は、手術や治療のために、意図的に片肺換気の状態を作り出す場合です。例えば、肺がんの手術では、がんに侵された肺の一部、もしくは全体を切除することがあります。その際、手術する側の肺に麻酔薬を集中させ、機能を一時的に停止させることで、安全に手術を行うことがあります。片肺換気は、健康な状態であれば、もう片方の肺だけで呼吸を補うことができるため、すぐに命に関わるような状態ではありません。しかし、長時間にわたって続く場合は、体に負担がかかり、呼吸困難などの症状が現れる可能性もあります。そのため、片肺換気になった原因を特定し、適切な処置を行うことが重要です。
その他

活性化プロテインC:血液凝固と炎症の制御

- 活性化プロテインCとは私たちの体内には、怪我などで出血した際に血液を固めて止血する、血液凝固系というシステムが備わっています。このシステムは、血液をスムーズに流すという役割と同時に、出血が起きた際には速やかに止血するという、相反する働きを両立させています。活性化プロテインC(APC)は、この血液凝固系において重要な役割を担うタンパク質の一つです。APCは、肝臓で作られるプロテインCが、血液凝固反応の過程で活性化されたものです。プロテインCの活性化には、食事から摂取する脂溶性ビタミンであるビタミンKが欠かせません。ビタミンKが不足すると、プロテインCが十分に活性化されず、血液が固まりすぎる状態、つまり血栓症のリスクが高まります。APCは、血液凝固反応を促進する働きを持つタンパク質の働きを阻害することで、血液凝固反応を抑制し、血栓の形成を防ぐ役割を担っています。また、APCは血液凝固系だけでなく、炎症反応にも関与しており、炎症反応を抑制する効果も期待されています。このように、APCは私たちの体内で非常に重要な役割を担っており、健康を維持する上で欠かせない存在と言えるでしょう。
その他

見えにくい傷跡:外傷後ストレス障害について

- 心の傷跡外傷後ストレス障害とは外傷後ストレス障害(PTSD)は、私たちの心に深い傷跡を残し、様々な症状を引き起こす障害です。交通事故や自然災害、犯罪被害、虐待など、日常生活では考えられないような衝撃的な出来事を経験した後、その時の恐怖や無力感が忘れられず、心の傷が癒えない状態が続きます。まるで時間が止まってしまったかのように、当時の記憶や感情が突然よみがえる「フラッシュバック」は、PTSD患者を特に苦しめる症状の一つです。悪夢にうなされたり、不安や緊張が強まり、常に危険を感じて過剰に警戒したりする人もいます。些細な物音や出来事に驚いてしまうなど、周囲の人には理解されにくい症状に苦しむこともあります。心の疲労は、集中力や記憶力の低下、趣味や仕事への意欲減退にもつながります。かつては楽しめていたことができなくなり、社会生活に支障をきたすこともあります。PTSDは決して特別な人がなるものではありません。衝撃的な出来事に遭遇した人なら、誰でも発症する可能性があります。もし、あなたやあなたの周囲の人がPTSDの症状で苦しんでいる場合は、一人で抱え込まず、専門機関に相談することをお勧めします。