DIC

その他

緊急事態:播種性血管内凝固症候群とは?

- 命に関わる病気播種性血管内凝固症候群(DIC)播種性血管内凝固症候群(DIC)は、血液の凝固異常が原因で起こる、命に関わる危険性の高い病気です。 DICは、本来であれば出血を止めるために働く血液凝固システムが、過剰に反応してしまうことで発症します。私たちの体内では、出血が起こると、それを止めるために血液を固める仕組みが備わっています。この仕組みが、DICでは異常をきたし、血管の中で小さな血のかたまり(血栓)が無数にできてしまうのです。その結果、血液の流れが滞り、様々な臓器に障害をもたらします。さらに恐ろしいことに、DICでは血栓を作ることだけに血液凝固因子が消費されてしまい、肝臓で新たな血液凝固因子が作られるよりも消費される量の方が多くなってしまい、今度は逆に、出血しやすくなってしまうのです。DICは、それ自体が独立した病気ではなく、がんなどの重い病気、敗血症、大量出血、重症のけがなどが引き金となって発症することが多くみられます。 DICは早期発見・早期治療が重要となる病気です。DICは命に関わる危険性が高いため、気になる症状がある場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。
その他

アンチトロンビン:血液凝固の番人

私たちは日常生活で、ちょっとした傷を作ってしまうことがあります。するとそこから出血しますが、しばらくすると自然に血が止まります。これは、体が傷を治そうと、血液を固めて出血を止める「血液凝固」という働きによるものです。この血液凝固は、体の中で作られる複数の「凝固因子」と呼ばれるタンパク質が、複雑に絡み合って起こる反応です。怪我などで出血したときに、この働きがなければ、私たちは血が止まらなくなってしまいます。しかし、血液が固まりすぎるのも問題です。血液凝固が過剰に働いてしまうと、血管の中で血液が固まって「血栓」と呼ばれるものができてしまいます。血栓は血管を詰まらせてしまい、血液の流れを悪くするため、様々な病気を引き起こす原因となります。そこで重要な役割を果たすのが「アンチトロンビン」です。アンチトロンビンは、血液凝固が過剰に進まないように調節する、いわば血液凝固にブレーキをかける働きを持つタンパク質です。このアンチトロンビンが、血液凝固のバランスを保ち、私たちの体の健康を守っているのです。