
目に見えない脅威: 放射線とは?
「放射線」と聞いても、それが一体どんなものか、具体的にイメージできる人は少ないかもしれません。実は放射線と一言で言っても、様々な種類が存在します。まず、放射線の代表選手と言えるのが、α線、β線、γ線の3種類です。α線はプラスの電気を帯びたヘリウムイオンの流れ、β線はマイナスの電気を帯びた電子の流れのことを指します。一方、γ線は電波や光と同じ仲間である電磁波の一種です。電磁波であるγ線と同じように、レントゲンでお馴染みのX線も放射線の一種です。さらに、原子核を構成する粒子である中性子の流れである中性子線も放射線に含まれます。α線、β線、γ線、X線などは、物質を透過する力がそれぞれ異なります。例えば、α線は紙一枚で止まりますが、γ線はコンクリートや鉛などを透過する力を持っています。その他にも、医療現場で画像診断などに用いられる粒子線や、宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線なども、広い意味では放射線に分類されます。放射線は目に見えず、直接触れたり感じたりすることができません。だからこそ、放射線の種類ごとの性質や人体への影響などを正しく理解しておくことが重要です。