
救命に繋がる?脳低温療法の可能性
- 脳低温療法とは脳低温療法とは、事故や病気などによって脳がダメージを受けた際に、その後の影響をできる限り抑え、脳の機能回復を助けるための治療法です。私たちの脳は、心臓が止まって血液の流れが止まると、酸素不足に陥り、短時間で大きな損傷を受けてしまいます。さらに、血液が再び流れ始めると、今度は活性酸素などが発生し、脳に炎症やむくみが引き起こされ、さらなるダメージを受けてしまいます。脳低温療法では、脳の温度を通常よりも低い32度から34度程度にまで下げることで、これらのダメージを抑えます。体温を下げることによって、脳の活動が抑制され、酸素の消費量が減少するため、損傷からの悪影響を軽減できると考えられています。脳低温療法は、心停止後の脳機能回復や、新生児の脳性麻痺のリスクを軽減する効果が期待されています。しかし、すべての患者さんに有効なわけではなく、合併症のリスクもゼロではありません。そのため、専門医による適切な診断と治療が必要となります。