
視界不良の危険性:濃霧への備え
- 濃霧とは濃霧とは、大気中に小さな水滴が大量に浮かび、視界が著しく悪くなる現象のことです。まるで白いカーテンが引かれたようになり、周囲の景色がぼんやりとしか見えなくなってしまいます。気象庁の定義によると、濃霧は視程、つまり肉眼で対象物を識別できる最大の距離によって判断されます。具体的には、陸上では視程が100メートル以下、海上では500メートル以下の場合に濃霧と定義されています。これは、例えば陸上では信号機の色が識別できず、電柱もぼんやりとしか見えなくなる程度の視界の悪さです。濃霧は、おもに空気中の水蒸気が冷やされて小さな水滴に変化する「凝結」という現象によって発生します。特に、放射冷却によって地表付近の空気が冷やされる晩秋から早春にかけて多く発生します。また、暖かい空気が冷たい海面上に流れ込む場合や、前線付近で雨上がりの湿った空気が冷やされる場合にも発生しやすくなります。濃霧の発生は、交通機関の乱れや事故に繋がることがあります。航空機や船舶は視界不良により遅延や欠航が発生し、自動車も速度を落として走行せざるを得なくなるため、渋滞が発生することも少なくありません。そのため、濃霧が発生した場合は、最新の気象情報を確認し、外出を控える、やむを得ず外出する場合は時間に余裕を持って行動するなど、安全を最優先に行動することが重要です。