重症度

けが人へ医療

外傷の重症度を評価するAISとは?

- AISの概要AISは、怪我の重症度を客観的に評価し、記録するための国際的な基準です。正式名称は「解剖学的傷害重症度スコア(Anatomical Injury Severity Score)」と言います。事故や転倒など、様々な原因で起こる怪我について、その深刻さを数値化することで、医療現場における情報共有や治療方針の決定、そして交通事故などの原因分析などに役立てられています。AISは1971年にアメリカで初めて発表され、その後も医学の進歩に合わせて定期的に改訂が重ねられています。 人体を頭部や胸部、腹部など9つの部位に分け、それぞれの部位に起こった怪我について、その程度を1から6までの6段階で評価します。 1が最も軽度で、6が最も重症な状態を表します。例えば、かすり傷のような軽い怪我であれば1、命に関わるような重度の怪我であれば6と評価されます。このAISを用いる最大のメリットは、医師間で怪我の程度について共通認識を持つことができる点にあります。 従来は、医師の経験や主観に頼って怪我の重症度を判断していましたが、AISを用いることで、より客観的で正確な評価が可能になりました。 これにより、患者さんにとってより適切な治療方針を決定できるようになり、救命率の向上や後遺症の軽減にも繋がると期待されています。AISは、交通事故の分析や予防にも活用されています。事故の状況とAISによる怪我の程度を照らし合わせることで、事故の原因究明や安全対策の強化に役立てられています。
その他

運動機能と呼吸困難からみた呼吸器疾患の重症度

- ヒュー・ジョーンズの基準とはヒュー・ジョーンズの基準は、呼吸器の病気を持つ方が、どのくらい息苦しさを感じているかを、体を動かせる程度と結びつけて評価する指標です。この基準は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった病気を持つ方が、日常生活でどの程度活動できるかを把握する際に役立ちます。具体的には、息が切れないで歩ける距離や、階段の上り下りがどの程度可能な状態かといった、具体的な活動レベルを基準に、I度からV度までの五段階で評価します。* I度息苦しさを感じることなく、日常生活を送ることができます。激しい運動でも支障はありません。* II度平坦な場所を歩いたり、日常生活を送る際には問題ありませんが、階段の上り下りや坂道を登る際には、息苦しさを感じることがあります。* III度平坦な場所を歩いたり、自分の身の回りのことをする際には問題ありませんが、それ以上の活動になると息苦しさを感じ、休まなければならなくなります。* IV度少し体を動かすだけでも息苦しさを感じ、日常生活に支障が出てきます。* V度安静にしていても息苦しさが強く、身の回りのことを自分で行うことができません。ヒュー・ジョーンズの基準を用いることで、患者さん自身の状態を客観的に把握できるだけでなく、医師とのコミュニケーションをスムーズにすることにも役立ちます。