証拠

犯罪について

DNA鑑定:犯罪捜査から親子関係確認まで

- DNA鑑定とは私たちの体はおよそ37兆個もの細胞からできており、その一つ一つの中に「設計図」が存在します。この設計図こそがDNAであり、A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)という4種類の物質の配列によって、その人特有の情報が書き込まれているのです。この配列は、まるで指紋のように一人ひとり異なっているため、DNA鑑定では、このわずかな違いを分析することで個人を特定します。DNA鑑定は、犯罪捜査において強力な武器となります。事件現場に残された血液や毛髪、唾液などからDNAを採取し、容疑者のDNAと照合することで、犯人を特定することができます。また、親子関係を調べる際にも有効です。子どものDNAは、両親のDNAを受け継いでいるため、DNA鑑定によって血縁関係を科学的に証明することができます。近年では、DNA鑑定の技術は飛躍的に進歩しており、わずかな量のDNAからでも高精度な鑑定が可能になっています。また、鑑定にかかる時間も短縮され、より迅速に結果を得られるようになりました。しかし、DNA鑑定はあくまでも個人を特定する手段の一つに過ぎません。鑑定結果をどのように解釈し、どのように活用するかは、私たち人間が慎重に判断していく必要があります。