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覚醒剤の落とし穴:フラッシュバックとは

覚醒剤は、使用すると脳の中枢神経系に作用し、快感や興奮を引き起こす神経伝達物質であるドーパミンを大量に放出させます。このドーパミンは、本来は意欲や快感、集中力などをコントロールするために分泌されるものですが、覚醒剤によって過剰に放出されると、様々な問題を引き起こします。過剰なドーパミンは、脳に大きな負担をかけることになり、その結果、現実とはかけ離れた感覚や思考、激しい感情の起伏といった、精神のバランスを崩した状態を引き起こすことがあります。これが覚醒剤中毒による精神病状態であり、統合失調症と似た症状を示すこともあります。さらに恐ろしいことに、覚醒剤の使用をやめても、脳に受けたダメージは完全に消えるわけではありません。そのため、断薬後も、ある日突然、過去に経験した幻覚や妄想、異常な感覚などが、まるで昨日のことのように鮮明に蘇ることがあります。これが、フラッシュバックと呼ばれる現象です。フラッシュバックは、強い不安や恐怖、混乱を引き起こし、当事者にとっては非常に苦痛な体験となります。また、フラッシュバックがきっかけで、再び覚醒剤に手を出してしまう危険性も孕んでいます。