
原子力発電の要!臨界とその仕組み
原子力発電は、ウランなどの重い原子核に中性子を衝突させることで莫大なエネルギーを取り出す技術です。この時、原子核は分裂し、莫大なエネルギーと共に新たな中性子を放出します。この現象を核分裂反応と呼びます。核分裂反応で放出された中性子は、さらに他の原子核に衝突し、再び核分裂反応を引き起こします。このように、一つの核分裂反応が連鎖的に新たな核分裂反応を引き起こすことで、莫大なエネルギーが連続的に生み出されます。この連鎖反応が安定して続く状態を臨界と呼びます。原子力発電所では、この臨界状態を維持することで安定的にエネルギーを取り出しています。臨界状態を制御することで、エネルギーを取り出す速度を調整することも可能です。もし、制御がうまくいかず、連鎖反応が過剰に進んでしまうと、原子炉内の圧力や温度が急上昇し、炉心溶融などの深刻な事故につながる可能性があります。