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人の生死を分ける脳死とは

- 脳死の定義脳死とは、脳全体の機能が完全に停止し、二度と回復の見込みがない状態を指します。これは、心臓が停止した状態である「心停止」とは明確に異なります。脳死を引き起こす原因は、大きく分けて直接的なものと間接的なものの二つに分類できます。交通事故などによる頭部外傷や、脳卒中などの脳血管障害といった脳への直接的なダメージは、脳細胞を破壊し、広範囲にわたる損傷を引き起こす可能性があります。一方、心停止による酸素不足や、一酸化炭素中毒なども、脳に酸素を供給する血液の流れを阻害するため、間接的に脳に深刻なダメージを与える可能性があります。脳死と診断されるためには、大脳、小脳、そして生命維持に不可欠な機能を担う脳幹を含む、脳全体が不可逆的に機能を失っているという条件を満たす必要があります。具体的には、意識や思考、運動、感覚、そして自発呼吸といった機能が完全に失われ、人工呼吸器などの生命維持装置なしでは生存が不可能な状態を指します。たとえ人工呼吸器によって心臓が動いている状態であっても、脳死状態の人の意識が回復することはなく、自分自身で呼吸をすることも、体を動かすことも二度とできません。