腹部外傷

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交通事故の危険!ハンドル外傷とは?

自動車の衝突事故は、時に体に大きな傷を負わせてしまうことがあります。その中でも「ハンドル外傷」は、運転する人にとって特に注意が必要な怪我の一つです。ハンドル外傷とは、交通事故の瞬間、ハンドルが胸やみぞおち辺りにぶつかることで起こる怪我の総称です。胸やお腹の表面には傷が見えなくても、体内では重い損傷を受けている可能性があり、注意が必要です。ハンドル外傷で起こる可能性のある怪我としては、肋骨骨折、肺の損傷、心臓の損傷、肝臓や脾臓などの内臓損傷などがあります。これらの怪我は、初期には自覚症状が乏しい場合もあり、放置すると命に関わる危険性もあります。交通事故に遭い、胸やみぞおち辺りに痛みや違和感がある場合、またはハンドルが体に強く当たった自覚がある場合は、たとえ軽い事故であっても、速やかに医療機関を受診することが大切です。交通事故はいつどこで起こるかわかりません。日頃から安全運転を心がけ、事故を起こさないようにすることが最も重要です。また、万が一事故に遭ってしまった場合に備え、自分が加入している自動車保険の内容を確認しておくことも大切です。特に、人身傷害保険や搭乗者傷害保険は、ハンドル外傷のような怪我の治療費や入院費などを補償してくれるため、必ず加入しておきましょう。
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腹部外傷の診断に役立つ診断的腹腔洗浄

- 診断的腹腔洗浄とは?診断的腹腔洗浄は、事故などで腹部を強く打ったり、腹部を刃物で刺されたりするなど、腹部外傷を受けた患者さんを診察する際に、緊急手術が必要かどうかを判断するための検査方法です。お腹の中に血液や胃や腸の内容物などが漏れていないかを調べます。この検査は、大きく分けて二つの方法があります。一つは、お腹を小さく切開してカテーテルと呼ばれる細い管を腹腔内に挿入する方法です。もう一つは、お腹に針を刺してカテーテルを挿入する方法です。どちらの方法でも、カテーテルを通して温めた生理食塩水を腹腔内に注入します。そして、しばらく時間を置いた後、その液体を回収します。回収した液体の色や性状を調べます。もし、回収した液体に血液や胃や腸の内容物が混ざっていた場合、肝臓や脾臓などの腹部臓器の損傷が疑われ、緊急手術が必要となる可能性が高くなります。診断的腹腔洗浄は、腹部外傷の患者さんにとって重要な検査の一つですが、近年では、CT検査など他の検査方法の発達により、診断的腹腔洗浄が行われる頻度は減少傾向にあります。