腹膜炎

けが人へ医療

命に関わる臓器の緊急事態:穿孔とは?

私たちの体内には、食べ物を消化したり、血液を循環させたりするために、管状の臓器が数多く存在します。口から肛門までは消化管と呼ばれ、栄養を吸収する大切な役割を担っています。また、心臓から全身へ、そして全身から心臓へと血液を送り届ける血管も、同じく管状の臓器です。これらの臓器は、私たちの生命維持に欠かせないものです。しかし、このような体内の管に、病気や怪我など様々な原因で穴が開いてしまうことがあります。これが「穿孔」と呼ばれる状態です。穿孔が起こると、本来、管の中にあるべきものが漏れ出てしまい、周囲の組織に炎症を引き起こしたり、臓器の機能を低下させたりすることがあります。例えば、胃や腸に穿孔が起こると、消化液や内容物が腹腔内に漏れ出し、激しい腹痛や発熱を引き起こします。また、血管に穿孔が起こると、内出血を起こし、生命に関わる危険な状態となることもあります。穿孔は、早期発見・早期治療が非常に重要です。穿孔の症状は、その原因や発生部位によって様々ですが、激しい痛みや発熱、吐き気、嘔吐などが見られる場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。
その他

限局性腹膜炎:原因と治療法

- 腹膜炎の種類腹膜炎は、お腹の中の臓器を包む膜である腹膜に炎症が起こる病気です。腹膜は、胃や腸などの消化器官を衝撃から守ったり、臓器を正しい位置に保つ役割をしています。この腹膜に細菌感染などが起こると、炎症反応によって激しい腹痛や発熱などの症状が現れます。腹膜炎は、炎症が広がる範囲によって大きく二つに分けられます。一つは、お腹全体に広がる汎発性腹膜炎です。汎発性腹膜炎は、消化管に穴が開いてしまい、そこから腸内細菌などが腹腔内へ漏れることによって起こることが多く、緊急手術が必要となる場合が多い重篤な病気です。もう一つは、炎症が一部に限局する限局性腹膜炎です。限局性腹膜炎は、虫垂炎や大腸憩室炎などの炎症が周囲の腹膜に波及することによって起こります。限局性腹膜炎の場合も、放置すると汎発性腹膜炎に進行する可能性があり、早期の治療が重要です。どちらの腹膜炎も、早期発見・早期治療が非常に重要になります。激しい腹痛や発熱など、気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。