
知っておきたい腸の健康と免疫の関係
私たちの腸の中には、数百種類、数十兆個もの腸内細菌が住んでいて、健康を保つために大切な役割をしています。ふだん、これらの細菌は腸の中にとどまり、食べ物の消化や吸収を助けたり、免疫の力を調整したりしています。しかし、特定の状況下では、これらの腸内細菌が腸の壁を破って、体の別の場所に移動することがあります。これが「バクテリアルトランスロケーション」と呼ばれる現象です。バクテリアルトランスロケーションが起こると、細菌やその毒素が血液の中に入り込み、全身に炎症を引き起こす可能性があります。これは、免疫力が低下している人にとっては特に危険で、敗血症や複数の臓器が機能しなくなるなどの重い状態を引き起こす可能性があります。例えば、手術や病気、栄養不足などが原因で体力が弱っているときや、ストレスを感じているときなどは、腸内細菌のバランスが崩れやすく、バクテリアルトランスロケーションのリスクが高まります。健康な状態を保ち、腸内環境を整えておくことは、バクテリアルトランスロケーションを防ぐ上で重要です。バランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動を心がけ、免疫力を高めるようにしましょう。