脱水

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糖尿病性ケトアシドーシス:命に関わる合併症

- 糖尿病性ケトアシドーシスとは糖尿病性ケトアシドーシスは、インスリンというホルモンが十分に働かなくなることで発症する、命に関わる危険性のある糖尿病の合併症です。私たちの体は、食事から摂取した糖をエネルギー源として利用しています。インスリンは、血液中の糖を細胞内に取り込むために欠かせないホルモンです。しかし、糖尿病の人はインスリンの分泌量が少ない、あるいはインスリンがうまく働かないため、細胞が糖をエネルギーとして利用できません。そこで体は、エネルギー不足を補うために脂肪を分解し始めます。この脂肪分解の過程で、ケトン体と呼ばれる酸性の物質が大量に作られます。ケトン体は本来、一時的なエネルギー源として利用されるものですが、大量に作られすぎると血液中に溜まり、血液が酸性に傾いてしまいます。これが「アシドーシス」と呼ばれる状態です。糖尿病性ケトアシドーシスは、適切な治療を行わなければ意識障害や昏睡に陥り、最悪の場合、死に至ることもあります。早期発見・早期治療が重要となるため、糖尿病の人は、のどの渇きや頻尿、倦怠感、吐き気などの症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。
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命を守る水分補給:脱水症状とその対策

- 脱水とは何か私たちの体は、成人であれば約60%が水分でできており、この水分は体中に栄養を運んだり、体温を調節したりするために非常に重要な役割を担っています。呼吸や皮膚からの蒸発、汗、そして尿として、私たちは常に水分を体外に排出しています。健康な状態を保つためには、失われた水分をこまめに補給し、体内の水分量を一定に保つ必要があります。しかし、様々な原因で水分補給が追いつかなくなったり、体内の水分が過剰に失われてしまうと、体内の水分バランスが崩れ、脱水症状を引き起こします。脱水症状は、軽度であれば、のどの渇き、めまい、疲労感などを感じます。さらに症状が進むと、頭痛、吐き気、意識障害などが現れ、最悪の場合、命に関わる危険性もあります。特に、乳幼児や高齢者は、自分で水分補給をすることが難しいため、脱水症状に陥りやすいと言われています。また、気温の高い時期や激しい運動後なども、多くの汗をかきやすく、注意が必要です。日頃から、こまめな水分補給を心がけ、脱水症状を予防しましょう。
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浸透圧利尿:体からの水分の排出について

- 浸透圧利尿とは私たちの体には、不要になったものや余分な水分を尿として体の外に出す仕組みが備わっています。この大切な役割を担っているのが腎臓です。腎臓は、血液をろ過して、老廃物や余分な水分を尿として膀胱へ送り出しています。このとき、腎臓は体の状態に合わせて、必要な水分や電解質を再び血液中に取り込む再吸収という働きも同時に行っています。この巧みな働きによって、体内の水分の量や電解質のバランスは常に一定に保たれているのです。しかし、血液中に浸透圧物質と呼ばれるものが過剰に存在すると、腎臓での水分の再吸収がうまくいかなくなってしまうことがあります。浸透圧物質には、ブドウ糖や尿素など様々なものがありますが、腎臓が再吸収する水の量よりも多くの浸透圧物質が尿に溶け込むことで、水分は尿中に留まりやすくなってしまいます。その結果、尿の量が増えてしまう現象を浸透圧利尿と呼びます。浸透圧利尿は、糖尿病などの病気によって起こることもあれば、点滴などによって人工的に引き起こされることもあります。