
胸腔ドレナージ後のリスク:再膨張性肺水腫
- 胸腔ドレナージとは私たちの肺は、「胸腔」と呼ばれる袋状の空間に包まれています。通常、この空間には少量の液体があるだけで、肺は自由に膨らんだり縮んだりして呼吸をしています。しかし、病気や怪我などによって胸腔内に空気が溜まったり(気胸)、通常よりも多くの液体が溜まったり(胸水)、血液が流れ込んでしまったり(血胸)することがあります。これらの異常事態が起こると、肺は圧迫されてしまい、十分に膨らむことができなくなります。その結果、息苦しさを感じたり、呼吸が速くなったり、場合によっては唇や指先が青紫色になるチアノーゼといった症状が現れることがあります。このような状態を改善するために、胸腔に溜まった空気や液体、血液を体外に排出する処置が必要になります。それが「胸腔ドレナージ」です。胸腔ドレナージでは、胸部に小さな穴を開け、そこからチューブを胸腔内に挿入します。そして、このチューブを専用の装置に接続することで、胸腔内の空気や液体、血液を体外に排出します。胸腔ドレナージは、呼吸困難を引き起こす様々な病気の治療に役立つ重要な処置です。