
輸液療法とリフィリング現象:知っておきたいリスク
私たちの身体は、外部からの様々な影響に常にさらされています。例えば、転んで怪我をしてしまったり、高温の物に触れて火傷を負ったり、有害な物質を誤って口にしてしまったり、ウイルスや細菌に感染してしまうこともあるでしょう。こうした外部からの影響によって身体が傷つけられることを、「侵襲」と呼びます。侵襲は、その種類や程度によって身体に様々な反応を引き起こします。私たちの身体の約60%は水分でできており、その大部分は血液として血管の中を流れています。血液は、酸素や栄養を全身に届けたり、老廃物を回収したりと、生命維持に欠かせない役割を担っています。ところが、侵襲を受けると、この体内の水分バランスが崩れてしまうことがあります。例えば、火傷を負うと、損傷した皮膚から水分が蒸発してしまいますし、怪我をすると、出血によって血液中の水分が失われてしまうことがあります。また、侵襲に対する身体の防御反応として、血管の外に水分が漏れ出てしまうこともあります。通常、血管は体内の水分を適切に保つために、壁の透過性を調整していますが、侵襲を受けると、その調整機能が乱れて血管から水分が漏れ出てしまうのです。水分が血管の外に漏れ出すと、血管内の血液量が減り、血圧が低下してしまいます。また、漏れ出した水分が組織の間に溜まると、細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなり、臓器の機能が低下してしまう可能性もあります。このように、侵襲によって体内の水分バランスが乱れると、様々な問題を引き起こす可能性があります。そのため、侵襲を受けた際には、速やかに医療機関を受診し、適切な処置を受けることが重要です。