
体からのサイン:急性期蛋白質を理解する
私たちは日常生活の中で、ちょっとした切り傷や擦り傷、あるいは風邪などの感染症にかかることがあります。このようなとき、私たちの体は自然治癒力を発揮し、傷ついた部分を修復したり、体内に入ってきた病原菌と戦ったりしようとします。この体の反応こそが炎症と呼ばれるものです。炎症が起こると、患部は赤く腫れ上がり、熱や痛みを感じることがあります。これは、体が治癒のために様々な物質を送り込んでいるサインです。その中には、急性期蛋白質と呼ばれる一群の蛋白質も含まれます。急性期蛋白質は、肝臓で作られ、炎症が起こると血液中に放出されるという特徴があります。医療現場では、この急性期蛋白質を測定することで、体内で炎症が起きているかどうか、そしてどの程度の炎症が起こっているのかを調べることができます。炎症の指標となる急性期蛋白質には、CRPやSAAなど、いくつかの種類があります。これらの検査値を見ることで、病気の診断や治療効果の判定に役立てることができます。また、炎症が長引くと、体に負担がかかり、様々な病気を引き起こす可能性があります。急性期蛋白質の検査は、早期発見・早期治療にも繋がる重要な検査と言えます。