組織低酸素

けが人へ医療

酸素不足が招く危機: 低酸素症とは?

- 低酸素症の概要低酸素症とは、体内の組織が必要とする酸素量が不足している状態を指します。私たちが呼吸によって体内に取り込んだ酸素は、血液中の赤血球によって全身の組織へ運ばれ、細胞の活動に必要なエネルギーを作り出すために使われます。しかし、様々な要因で組織へ十分な酸素が供給されなくなると、細胞は正常な働きを維持することができなくなり、様々な症状が現れます。酸素不足の状態が続くと、軽度の場合には、 息切れや動悸、頭痛、めまい、疲労感などがみられます。 さらに酸素不足が進むと、 思考力や判断力の低下、意識障害、唇や指先が青紫色になるチアノーゼといった症状が現れ、最悪の場合は死に至ることもあります。低酸素症を引き起こす原因は多岐に渡ります。例えば、呼吸器疾患(肺炎や喘息など)によって肺での酸素の取り込みが阻害されたり、循環器疾患(心筋梗塞や狭心症など)によって心臓のポンプ機能が低下し、血液循環が悪くなることで組織への酸素供給が滞ることがあります。また、一酸化炭素中毒や高山病なども低酸素症の原因となります。低酸素症は、原因や重症度によって治療法が異なります。軽度の場合は酸素吸入を行いながら安静にすることで改善しますが、重症の場合は人工呼吸器による管理が必要となる場合もあります。日頃から、バランスの取れた食事や適度な運動を心掛け、禁煙するなど、生活習慣に気を配ることで、低酸素症を予防することができます。