細菌感染症

感染症から守る

身近に潜む危険!中毒性ショック症候群とは?

- 中毒性ショック症候群の概要中毒性ショック症候群は、体に有害な物質を作る細菌が引き起こす、命に関わる危険性もある深刻な病気です。主に黄色ブドウ球菌やA群溶血連鎖球菌といった細菌が原因となります。これらの細菌は、健康な人の皮膚や鼻の中などにもともと存在している場合があり、普段は悪さをしません。しかし、傷口や粘膜などから体内に侵入し、増殖すると毒素を作り出すようになります。この毒素が血液中に入ると、全身に運ばれて様々な臓器に悪影響を及ぼします。中毒性ショック症候群になると、高い熱が出る、血圧が急激に下がる、体に赤い斑点が出るといった症状が現れます。また、吐き気や嘔吐、下痢、筋肉痛、意識障害など、風邪や食中毒に似た症状が現れることもあります。さらに、症状が進むと腎臓や肝臓などの臓器が正常に機能しなくなり、命に関わる危険性も高まります。特に1980年代には、生理中の女性がタンポンを使用していたことが原因で、中毒性ショック症候群が多発した事例が広く知られています。タンポンの長時間使用は、細菌が増殖しやすい環境を作り出すため、注意が必要です。しかし、タンポンを使用していなくても、傷口や手術後、火傷後などに発症するケースもあります。中毒性ショック症候群は、早期に発見し、適切な治療を行えば回復の可能性が高い病気です。少しでも疑わしい症状がある場合は、すぐに医療機関を受診することが重要です。
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人食いバクテリア? 壊死性筋膜炎とは

- 壊死性筋膜炎の概要壊死性筋膜炎は、皮膚のすぐ下にある浅層筋膜という組織が細菌に感染し、急速に壊死が広がっていく恐ろしい病気です。この病気は、決して他人事ではありません。ちょっとした傷口や虫刺され、注射や軽い怪我、火傷など、日常生活でよくあるようなことがきっかけで発症する可能性があります。初期症状は、発熱や発赤、腫れ、痛みなど、他の病気と区別がつきにくいため、発見が遅れてしまうケースも少なくありません。しかし、壊死性筋膜炎は、早期発見・早期治療が極めて重要な病気です。放置すると、急速に症状が悪化し、壊死が広範囲に及んでしまう可能性があります。重症化すると、血液凝固異常や敗血症といった命に関わる合併症を引き起こすこともあります。そのため、少しでも異常を感じたら、すぐに医療機関を受診することが大切です。特に、糖尿病や免疫不全などの基礎疾患がある方は、重症化しやすい傾向があるため、注意が必要です。