
見えにくい傷跡:外傷後ストレス障害について
- 心の傷跡外傷後ストレス障害とは外傷後ストレス障害(PTSD)は、私たちの心に深い傷跡を残し、様々な症状を引き起こす障害です。交通事故や自然災害、犯罪被害、虐待など、日常生活では考えられないような衝撃的な出来事を経験した後、その時の恐怖や無力感が忘れられず、心の傷が癒えない状態が続きます。まるで時間が止まってしまったかのように、当時の記憶や感情が突然よみがえる「フラッシュバック」は、PTSD患者を特に苦しめる症状の一つです。悪夢にうなされたり、不安や緊張が強まり、常に危険を感じて過剰に警戒したりする人もいます。些細な物音や出来事に驚いてしまうなど、周囲の人には理解されにくい症状に苦しむこともあります。心の疲労は、集中力や記憶力の低下、趣味や仕事への意欲減退にもつながります。かつては楽しめていたことができなくなり、社会生活に支障をきたすこともあります。PTSDは決して特別な人がなるものではありません。衝撃的な出来事に遭遇した人なら、誰でも発症する可能性があります。もし、あなたやあなたの周囲の人がPTSDの症状で苦しんでいる場合は、一人で抱え込まず、専門機関に相談することをお勧めします。