
緊急事態!筋膜切開で救肢:筋区画症候群とは?
- 筋区画症候群の危機私たちの身体は、骨や筋肉、神経、血管など、様々な組織が複雑に組み合わさり、それぞれの役割を果たしながら絶妙なバランスで成り立っています。筋肉は、「筋膜」という丈夫な膜で包み込まれ、いくつかの筋肉が束になって「筋区画」を形成しています。この筋区画は、まるで部屋のように、筋肉を保護し、その動きをサポートする役割を担っています。しかし、この筋区画内で、強い衝撃や圧迫などによって出血や腫れが生じると、筋膜に包まれた空間内の圧力(区画内圧)が異常に上昇することがあります。すると、筋肉や神経、血管は、この圧力によって圧迫され、深刻なダメージを受けてしまいます。これが「筋区画症候群」と呼ばれる危険な状態です。特に、腕や脚などの四肢に多くみられ、放置すると、筋肉が壊死し、最悪の場合、切断に至ることもあります。早期発見と適切な処置が非常に重要です。