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羽ばたき振戦:肝臓からのサイン?

- 羽ばたき振戦とは羽ばたき振戦とは、両手を前に真っ直ぐ伸ばし、手首を反り返らせるように意識すると、まるで鳥が羽ばたくように手が震えてしまう症状のことです。医学的には、手首や指の関節が自分の意思とは関係なく、曲がったり伸びたりを繰り返す不随意運動の一種として知られています。この震えは、手をゆっくりと動かそうとしても現れ、早く動かそうとするとさらに激しくなるという特徴があります。また、震えは左右の手で同時に起こることが多く、片方の手だけで起こることは稀です。羽ばたき振戦は、その動きがまるで空気を羽ばたく鳥の姿に似ていることから名付けられました。この症状が現れる原因は、肝臓病や脳の病気など様々ですが、特に肝臓の機能が低下している場合に多く見られることが知られています。もし、羽ばたき振戦の症状が見られる場合は、自己判断せずに、速やかに医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしてください。
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命を守る知識:肺うっ血とその基礎

- 肺うっ血とは?私たちは、呼吸をすることで、体の中に酸素を取り込み、不要になった二酸化炭素を排出しています。この大切な役割を担っているのが肺です。肺の中には、肺胞と呼ばれる小さな袋がたくさんあり、ここで血液に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するガス交換が行われています。肺うっ血とは、この肺胞周辺の血管に血液が必要以上に溜まってしまう状態を指します。心臓は、体全体に血液を循環させるポンプのような役割を担っていますが、この心臓に何らかの異常が起こり、血液をうまく送り出せなくなると、肺に血液が滞ってしまうことがあります。これが肺うっ血です。つまり、肺うっ血は、肺そのものの病気ではなく、心臓の機能と密接に関係しているといえます。心臓のポンプ機能が低下することで、肺の血管に負担がかかり、血液が過剰に溜まってしまうのです。
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危険なサインを見逃すな!チェーンストークス呼吸とは?

- 呼吸の異変、チェーンストークス呼吸とはチェーンストークス呼吸とは、呼吸のリズムと深さに異常がみられる呼吸パターンのことです。健康な状態では、呼吸は一定のリズムと深さを保っていますが、チェーンストークス呼吸では、浅く速い呼吸から始まり、次第に呼吸が深くゆっくりとなっていきます。そして、再び浅く速い呼吸に戻り、最終的には数秒から数十秒にわたって呼吸が停止する「無呼吸」状態になります。この、呼吸が徐々に速く深くなり、その後遅く浅くなって無呼吸に至るというサイクルを繰り返すのが、チェーンストークス呼吸の特徴です。チェーンストークス呼吸は、心不全や脳卒中、脳腫瘍などの病気によって脳の呼吸中枢が障害されることで起こると考えられています。また、モルヒネなどの薬剤の影響で現れることもあります。チェーンストークス呼吸がみられる場合は、背景にある病気が進行している可能性があります。そのため、速やかに医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けることが重要です。
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見えない脅威:縦隔気腫とその対処法

- 胸部に空気が? 縦隔気腫とは縦隔気腫とは、呼吸によって肺に吸い込まれた空気が、本来あるべきでない胸腔内の縦隔という場所に漏れ出てしまう病気です。縦隔は、心臓や大動脈、大静脈といった太い血管、気管や食道など、生命維持に欠かせない重要な臓器が集まっている場所です。ここに空気が入り込むことで、様々な症状が現れることがあります。縦隔気腫は、胸のレントゲン写真やCT検査で偶然見つかることが多くあります。自覚症状がない場合も多いのですが、症状としては、胸の痛み、呼吸困難、声がれ、首や顔の腫れなどがみられることがあります。原因としては、肺の病気、例えば気管支喘息の悪化や肺炎、肺気腫などが挙げられます。また、激しい咳や嘔吐、重い物を持ち上げる動作など、急激な胸腔内圧の上昇がきっかけとなる場合もあります。交通事故などによる胸部への強い衝撃や医療行為中の合併症によって起こることもあります。多くの場合、縦隔気腫自体は命に関わる病気ではありません。安静にしていれば自然に治ることがほとんどです。しかし、原因や症状によっては、酸素吸入や胸腔ドレナージなどの治療が必要になることもあります。また、まれに、心臓や肺、食道などの臓器が圧迫されて、重篤な合併症を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。気になる症状がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
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緊急事態!心嚢気腫とは?

- 心臓を圧迫する危険な状態、心嚢気腫とは?心臓は、私たちの体全体に血液を送るために休むことなく動き続けている重要な臓器です。この大切な心臓は、「心嚢」と呼ばれる薄い袋状の組織に包まれています。通常、この心嚢の中には少量の液体があり、心臓がスムーズに動くための潤滑油の役割を果たしています。しかし、何らかの原因でこの心嚢の中に空気が入り込んでしまうことがあります。これが「心嚢気腫」と呼ばれる状態です。心嚢気腫になると、心臓を取り巻く空間の圧力が異常に高まります。この圧力は、まるで心臓を風船のように外側から締め付けるように作用し、心臓の動きを阻害してしまいます。その結果、心臓は十分な量の血液を送り出すことができなくなり、息切れや胸の痛み、意識障害などの深刻な症状が現れることがあります。心嚢気腫を引き起こす原因は様々です。例えば、肺に穴が開いてしまう気胸や、胸部に強い衝撃を受ける外傷、心臓自身に穴が開いてしまう心破裂などが挙げられます。また、細菌やウイルスによる感染症が原因となる場合もあります。心嚢気腫は命に関わる危険性もあるため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。もしも、息苦しさや胸の痛み、脈の乱れなど、普段と異なる症状を感じたら、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。早期発見と適切な治療によって、心臓への負担を軽減し、健康な状態を取り戻せる可能性が高まります。
感染症から守る

感染症から身を守るために

- 感染症とは私たちの身の回りには、肉眼では確認できないほど小さな生き物が無数に存在しています。これらは微生物と呼ばれ、普段は私たちの生活に影響を与えないものから、発酵食品などに利用され役立っているものまで、様々な種類が存在します。しかし、その中には私たちの体の中に入り込み、そこで数を増やすことで、健康を害するものもいます。このような、体に悪影響を及ぼす微生物には、ウイルスや細菌、カビなどの仲間である菌類、そして他の生き物の体内に住み着いて栄養を奪う寄生虫などが含まれます。これらの微生物が、空気や水、食べ物など様々な経路を通して私たちの体内に侵入し、増殖することを「感染」と呼びます。そして、この感染が原因で発熱や咳、下痢、湿疹など、体に何らかの症状が現れた状態を「感染症」と呼びます。感染症は、原因となる微生物の種類や感染した人の体力、免疫力などによって、軽い症状ですむものから、入院が必要となる重い症状を引き起こすものまで、その程度は様々です。また、感染症の中には、人から人へとうつるものもあり、周囲の人々へ感染を広げないための対策も重要となります。
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命を守る!知っておきたいショックの知識

- ショックとはショックとは、生命の維持に欠かせない血液循環が悪化し、身体の組織や臓器に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなる状態を指します。放置すると、臓器の機能不全に陥り、死に至ることもある危険な状態です。私たちの身体は、心臓のポンプ機能によって常に血液を循環させています。この血液は、酸素や栄養を全身の細胞に運び、同時に老廃物を回収するという重要な役割を担っています。 しかし、様々な原因で心臓の機能が低下したり、血管が拡張したり、血液量が減少したりすると、血液循環が悪化してしまいます。血液循環が悪くなると、身体は酸素不足に陥ります。初期症状としては、動悸や息切れ、冷や汗、顔面蒼白などが見られます。さらに悪化すると、意識がもうろうとしたり、脈拍が弱くなったり、尿量が減少したりします。 ショックの状態は一刻を争います。少しでも異常を感じたら、ためらわずに救急車を呼ぶことが大切です。
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除脳硬直:その特徴とメカニズム

- 定義-# 定義除脳硬直とは、脳幹の中でも中脳や橋と呼ばれる部分が損傷を受けることで、手足が突っ張ったように伸びてしまう状態を指します。脳幹は、生命維持に不可欠な機能を司る重要な部位です。特に中脳や橋は、意識や運動、呼吸などをコントロールする神経が集まっている場所です。これらの部位が損傷を受けると、脳から手足への運動指令がうまく伝わらなくなり、手足が不自然に伸びた状態になってしまいます。これが除脳硬直です。除脳硬直は、意識障害を伴う重篤な脳損傷の兆候であることが多く、交通事故や頭部外傷、脳卒中などで起こる可能性があります。除脳硬直が見られた場合は、一刻も早く医療機関を受診する必要があります。迅速な診断と治療によって、後遺症のリスクを減らすことができる可能性があります。
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髄膜刺激症状:項部硬直とは

- 髄膜刺激症状の概要髄膜刺激症状とは、脳と脊髄を包む薄い膜である髄膜に炎症や刺激が起きた際に現れる、いくつかの症状を組み合わせた呼び方です。この髄膜は、私達の大切な脳と脊髄を外からの衝撃やばい菌から守る、いわば防護服のような役割を担っています。この髄膜に何らかの原因で炎症が起きると、周囲の組織や神経が刺激されてしまいます。その結果、頭を締め付けられるような激しい頭痛や、高い熱、吐き気といった症状が現れます。さらに症状が進むと、意識が朦朧としたり、痙攣を起こしたりするなど、命に関わる危険性も出てきます。髄膜刺激症状を引き起こす病気には、細菌やウイルス感染によって髄膜に炎症が起きる髄膜炎や、脳の血管が破れて出血するくも膜下出血などがあります。これらの病気は、いずれも早急な診断と適切な治療が必要となるため、少しでも疑わしい症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診することが大切です。
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限局性腹膜炎:原因と治療法

- 腹膜炎の種類腹膜炎は、お腹の中の臓器を包む膜である腹膜に炎症が起こる病気です。腹膜は、胃や腸などの消化器官を衝撃から守ったり、臓器を正しい位置に保つ役割をしています。この腹膜に細菌感染などが起こると、炎症反応によって激しい腹痛や発熱などの症状が現れます。腹膜炎は、炎症が広がる範囲によって大きく二つに分けられます。一つは、お腹全体に広がる汎発性腹膜炎です。汎発性腹膜炎は、消化管に穴が開いてしまい、そこから腸内細菌などが腹腔内へ漏れることによって起こることが多く、緊急手術が必要となる場合が多い重篤な病気です。もう一つは、炎症が一部に限局する限局性腹膜炎です。限局性腹膜炎は、虫垂炎や大腸憩室炎などの炎症が周囲の腹膜に波及することによって起こります。限局性腹膜炎の場合も、放置すると汎発性腹膜炎に進行する可能性があり、早期の治療が重要です。どちらの腹膜炎も、早期発見・早期治療が非常に重要になります。激しい腹痛や発熱など、気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
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息苦しさの原因と対処法:起坐呼吸とは?

- 起坐呼吸とは「-起坐呼吸-」とは、横になって休むよりも、座ったり体を起こしたりした方が呼吸が楽になる状態を指します。人は誰でも、横になると重力によって肺が圧迫され、呼吸が少し浅くなるものです。しかし、心臓や肺に何らかの問題を抱えている場合、この影響が顕著に現れ、横になると呼吸が苦しくなることがあります。これが起坐呼吸です。起坐呼吸は、心臓や肺の機能が低下しているサインである可能性があります。心臓の機能が低下すると、体中に血液を送り出すポンプとしての役割が弱まり、血液の循環が悪くなります。その結果、肺に血液が溜まりやすくなり、横になった際に呼吸困難を引き起こしやすくなるのです。また、肺炎や肺水腫などの肺の病気でも、肺に体液が溜まりやすくなるため、起坐呼吸が現れることがあります。起坐呼吸は、これらの病気のサインとして現れることがありますが、必ずしも深刻な病気の兆候であるとは限りません。しかし、頻繁に起坐呼吸が見られる場合や、動悸、息切れ、むくみなどの症状を伴う場合は、医療機関を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。
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命を脅かす病気:急性呼吸促迫症候群とは

- 急性呼吸促迫症候群とは急性呼吸促迫症候群(ARDS)は、肺に大量の水分がたまり、血液中の酸素が不足してしまう、命に関わる深刻な病気です。私たちの肺は、無数の小さな空気の袋、「肺胞」でできています。ARDSを発症すると、この肺胞が炎症によって傷つけられ、十分に機能しなくなります。その結果、血液中に十分な酸素を取り込むことができなくなり、呼吸困難に陥ります。ARDSは、肺炎や敗血症などの特定の病気にかかった後、または重度の怪我をした後に発症することがあります。ARDSは、集中治療室での治療が必要となる重篤な病気であり、場合によっては人工呼吸器による治療が必要となることもあります。ARDSの治療には、酸素吸入や人工呼吸器による呼吸の補助、炎症を抑える薬剤の投与などがあります。また、ARDSの原因となる基礎疾患の治療も重要です。ARDSは重篤な病気ですが、早期に発見し適切な治療を行えば、回復の可能性は高まります。
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いつもと違う?要注意!奇異呼吸を見分ける

私たちは普段、息を吸ったり吐いたりすることを意識せずに生活しています。これは呼吸が、生命維持に欠かせない非常に重要な働きでありながら、通常は無意識のうちに行われているからです。しかし、体に病気や怪我などが生じると、この呼吸に異常が現れることがあります。これを「奇異呼吸」と呼びます。奇異呼吸は、呼吸の回数、リズム、深さなどが通常とは異なる状態を指します。例えば、息を吸うのが苦しい、呼吸が速い、呼吸のリズムが乱れるといった症状が現れます。これらの症状は、肺炎や喘息などの呼吸器疾患だけでなく、心不全や糖尿病など、様々な病気が原因で起こる可能性があります。普段は意識することの少ない呼吸ですが、その状態は体の健康状態を反映する重要なサインです。そのため、自分自身や周りの人の呼吸にいつもと違う様子が見られた場合は、すぐに医療機関に相談することが大切です。早期発見と適切な対応によって、重症化を防ぐことができる場合も少なくありません。