
酸素運搬のカギ!ボーア効果とは?
私たちは、生命を維持するために、常に呼吸をしています。呼吸とは、空気中の酸素を取り込み、体内で不要となった二酸化炭素を排出する、生きる上で欠かせない行為です。呼吸によって取り込まれた酸素は、血液によって体中の細胞へと運ばれます。この時、重要な役割を担っているのが、赤血球に含まれる「ヘモグロビン」という物質です。ヘモグロビンは、酸素と結びつきやすい性質を持っており、肺で酸素を取り込み、体中を巡りながら、必要な組織や細胞まで酸素を運び届けるという、大変重要な働きをしています。ヘモグロビンは、酸素が多く存在する場所では酸素と結びつきやすく、酸素が少ない場所では酸素を離しやすくなるという性質も持っています。この性質のおかげで、肺で効率よく酸素を取り込み、体の隅々まで酸素を届けることができるのです。そして、細胞に酸素を届けたヘモグロビンは、今度は細胞から二酸化炭素を受け取り、肺まで運んでいきます。このように、呼吸と酸素運搬は密接に関係しており、私たちの生命維持に欠かせないメカニズムと言えます。