環境汚染

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身近なところに潜む危険!ダイオキシン

- ダイオキシンとは?ダイオキシンと聞いて、危険な物質というイメージを持つ方は多いのではないでしょうか? 実はダイオキシンとは、特定の一つの物質を指すのではありません。「ダイオキシン類」と呼ばれる、似た構造を持つ物質群の総称なのです。ダイオキシン類には、ポリ塩化ジベンゾパラダイオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCB)など、多くの物質が含まれています。いずれも、私たちの身の回りにあるごくありふれた元素、炭素、酸素、水素、塩素などが、高温で加熱される過程で偶然に結びついて生成されてしまうという特徴があります。例えば、ゴミ焼却炉や工場など、物質を燃焼する施設から発生することが知られています。また、火山活動や森林火災など、自然現象に伴って発生する場合もあります。ダイオキシン類は、環境中に排出されると、土壌や水に蓄積しやすく、食物連鎖を通じて私たちの体内に取り込まれる可能性があります。微量であっても、長期間にわたって摂取し続けると、健康への影響が懸念される物質です。
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ゴイアニア事故:教訓と未来への備え

1987年、南米ブラジルのゴイアニアという街で、世界中の人々を震撼させる痛ましい放射線事故が起こりました。すべての始まりは、廃墟と化した病院から、医療用の放射線治療に用いられるセシウム137という物質を含む装置が盗まれてしまったことでした。セシウム137は、人間の目には見えないものの、強力な放射線を出す危険な物質です。盗まれた装置は、その後スクラップとして売却されてしまいました。スクラップ業者たちは、装置の中に光る美しい物質を発見し、興味津々で取り出したり、体に塗ったりしました。その物質こそが、後に深刻な健康被害をもたらす放射性物質、セシウム137だったのです。しかし、その危険性を知る由もなかった人々は、知らず知らずのうちに放射線を浴び続け、やがて吐き気やめまいなどの深刻な症状に苦しめられることになりました。この事故は、放射性物質の管理の重要性を世界に突きつける、悲しい出来事として、今もなお語り継がれています。