
過去の津波を知る手がかり-津波堆積物-
- 津波堆積物とは津波堆積物とは、津波によって陸地に運ばれた土砂や漂流物が積み重なってできたものを指します。津波は、地震や海底火山噴火などによって引き起こされる巨大な波で、想像を絶する破壊力を持っています。海岸に押し寄せた津波は、その強大な力で、海岸線を削り取るかのように浸食していきます。この時、海底に眠っていた砂や泥、貝殻、海藻などが巻き上げられ、陸地奥深くまで運ばれていきます。時には、家屋の木材や船舶の一部など、人間が作ったものも含まれます。津波の勢いが弱まると、巻き上げられていた土砂や漂流物は徐々に海底へ沈んでいきます。そして、それらが地表に層となって積み重なることで、津波堆積物が形成されるのです。津波堆積物は、過去の津波の規模や発生時期を知るための重要な手がかりとなります。また、将来発生する津波の予測や防災対策にも役立てることができます。