災害医療

その他

広域災害時でも安心!医療情報ネットワーク

大規模な災害が発生すると、負傷者が多く発生し、病院などの医療機関は大混乱となります。道路が寸断されてしまったり、電気が使えなくなったりすると、一刻を争う怪我や病気の治療をスムーズに行うことが難しくなります。このような困難な状況下では、限られた医療スタッフや物資を最大限に活用し、一人でも多くの命を救うために、病院と病院、地域と地域が協力し、助け合う体制が非常に重要となります。例えば、被害の大きさに応じて、軽症者の治療を行う病院と、重症者の治療を行う病院をあらかじめ決めておくことが重要です。 こうすることで、重症患者に必要な医療資源を集中させることができます。 また、被災地以外の医療機関が、医師や看護師を被災地に派遣する体制を整えておくことも重要です。 さらに、医薬品や医療物資を備蓄しておくことはもちろん、被災地へ迅速に届けるための輸送ルートの確保も欠かせません。災害はいつどこで起こるかわかりません。日頃から、地域全体で災害時の医療体制について考えておくことが、多くの命を守ることに繋がります。
組織

災害医療のスペシャリスト集団:DMAT

大規模な地震や集中豪雨など、広範囲に甚大な被害をもたらす災害が発生すると、多くの負傷者や病人が発生し、地域の医療体制だけでは対応が困難になることがあります。このような緊急事態において、被災地で活動するのが災害派遣医療チーム、通称DMAT(ディーマット)です。DMATは、災害医療の専門家集団として、医師や看護師、業務調整員など、それぞれの専門性を活かしながら、被災地で迅速かつ的確な医療活動を行います。DMATの活動は、被災地到着後すぐに始まります。まず、被害状況を把握し、医療のニーズを判断するための初期評価を行います。その後、負傷者の重症度や緊急度に応じて、治療の優先順位を決めるトリアージを実施します。そして、限られた医療資源と資材を最大限に活用し、救命処置や手術、入院が必要な患者の搬送など、状況に応じた医療を提供していきます。DMATは、災害医療の最前線で働く、まさに「命の守り人」と言えるでしょう。
けが人へ医療

隠れた危険!横紋筋融解症とは?

- 筋肉の病気、横紋筋融解症とは私たちの体を支え、動かすために欠かせない筋肉。実は、この筋肉で構成される細胞が壊れ、血液中に流れ出すことで発症する病気があります。それが「横紋筋融解症」です。まるで、身体の土台が崩れてしまうかのような、大変深刻な病気です。一体なぜ、このようなことが起きるのでしょうか? 実はその原因は、私たちの身近に潜んでいます。例えば、激しい運動や運動不足、肉体的負荷の高い労働などが挙げられます。また、交通事故などによる強い衝撃や、圧迫なども原因の一つです。さらに、薬の副作用によって発症するケースもあるため、注意が必要です。横紋筋融解症は決して他人事ではありません。過度な運動や肉体労働の後、筋肉に強い痛みや脱力感を感じたら、注意が必要です。また、尿の色が赤褐色になるなど、いつもと違う体の変化にも気を配りましょう。 日頃から適度な運動を心がけ、栄養バランスのとれた食事を摂ること、そして十分な休息をとることが、この病気を予防するために大切です。
けが人へ医療

外傷性窒息: 圧迫による見えない脅威

事故と聞くと、自動車同士がぶつかる様子や、高いところから落ちてしまう様子を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。もちろん、交通事故や転倒は重大な事故です。しかし、事故には、火災や水難など、様々な種類があります。そして、これらの事故で忘れてはならないのが、事故による怪我や衝撃によって呼吸ができなくなってしまう「外傷性窒息」という危険です。外傷性窒息は、事故によって胸やお腹を強く圧迫されることで、肺に空気が入らなくなり、呼吸困難に陥る状態を指します。例えば、工場などで機械に挟まれたり、工事現場で足場が崩れて体の一部が挟まれたりすることで起こることがあります。また、階段で転倒して将棋倒しになったり、雪崩や土砂崩れに巻き込まれたりするなど、私たちの身近にも危険は潜んでいます。外傷性窒息は、一刻を争う危険な状態です。事故現場では、まず、周囲の安全を確保し、直ちに救急車を要請しましょう。そして、可能であれば、二次災害を防ぎながら、呼吸がしやすい体位を保つなどの応急処置を行うことが重要です。
けが人へ医療

災害現場で役立つSTART法:迅速な救命 triage

- START法とはSTART法とは、「Simple Triage And Rapid Treatment」の頭文字をとった言葉で、日本語では「簡易評価と迅速処置」という意味です。災害現場など、多くの負傷者が発生し、限られた医療資源の中でより多くの命を救うために、負傷者の緊急度を迅速に判定する方法です。地震や台風など大きな災害が起こると、同時にたくさんの負傷者が発生します。病院は、このような事態にすぐに対応できない状況に陥る可能性があります。このような緊急時において、一刻も早く治療をしなければ命を落としてしまう重症の人を、見た目などである程度判断し、治療の順番を決めることが重要です。START法では、まず歩くことができるかどうかで、治療の緊急性の高いグループと低いグループに大きく分けます。歩けないと判断された人には、次に呼吸ができているか、脈はあるかなどを確認し、さらにグループを細かく分けていきます。そして、呼吸や脈の状態などから緊急度が高いと判断された人から治療を開始するという手順になります。START法は、限られた医療従事者でも、迅速かつ効率的に負傷者の緊急度を判断し、多くの命を救うために有効な方法と言えるでしょう。
けが人へ医療

災害と予防できる死

- 災害における「防げる死」とは大規模な災害が発生すると、多くの方が尊い命を失ってしまいます。自然の脅威の前では、人間の力はあまりにも小さく、避けられない別れも当然あります。しかし、その一方で、適切な処置を受けていれば、助かったかもしれないと考えられるケースも存在します。こうした「防げるはずだった死」を『予防できる死』と呼びます。災害医療においては、一人でも多くの命を救うために、この予防できる死を最小限に抑えることが非常に重要な目標となります。「予防できる死」には、大きく分けて二つの種類があります。一つ目は、災害発生直後に適切な処置を受けられなかったために亡くなってしまうケースです。例えば、倒壊した建物や土砂に巻き込まれた際に、適切な救助や応急処置が遅れてしまうことで、助かるはずだった命が失われてしまうことがあります。二つ目は、災害による負傷や体調不良が悪化し、重症化してしまうケースです。避難生活の長期化によるストレスや衛生環境の悪化、持病の悪化などによって、命を落としてしまう方が後を絶ちません。災害医療は、時間との闘いです。一刻も早く被災者を救助し、適切な医療を提供することが、多くの命を救うために不可欠です。そして、そのためには、私たち一人ひとりが、日頃から防災意識を高め、いざというときに適切な行動を取れるように備えておくことが重要です。
地震への備え

災害医療におけるマニュアルの重要性

災害医療におけるマニュアルとは災害時、病院や診療所などの医療施設は、負傷者や病気の人々で溢れかえり、混乱します。このような極限状態において、医療従事者一人ひとりが冷静かつ的確に医療行為を行うためには、あらかじめ定められた行動指針が必要です。この指針となるのが「災害医療マニュアル」です。災害医療マニュアルは、いわば災害医療の現場における羅針盤のような役割を果たします。地震、台風、豪雨など、災害の種類や規模は千差万別です。また、負傷者の状態も一人ひとり異なります。このような状況下で、限られた医療資源と人員で、一人でも多くの命を救うためには、想定される様々な事態に対する対応策を、あらかじめ医療従事者間で共有しておくことが不可欠です。災害医療マニュアルには、トリアージの方法、応急処置の手順、搬送先の決定基準、医療物資の管理方法など、災害医療現場で必要となるあらゆる情報が網羅的に記載されています。これにより、医療従事者は、混乱の中でも、手順を踏んで行動し、的確な医療を提供することができます。
地震への備え

災害マニュアル:いざという時のための備え

- 災害マニュアルとは災害は、いつどこで発生するか分かりません。地震、台風、洪水など、私たちの身の回りには、多くの危険が潜んでいます。このような災害が発生した際に、病院や医療機関は、人々の命を守るための最後の砦となります。しかし、災害発生時は、交通網の遮断や停電、負傷者の増加などにより、平常時と同じような医療を提供することが難しくなります。このような状況下で、医療従事者が、混乱なく、迅速かつ的確に医療活動を行うために作成されるのが「災害マニュアル」です。災害マニュアルには、災害の種類に応じた行動手順や、責任者の役割分担、備蓄品の確認方法、患者さんの搬送方法などが具体的に記載されています。災害マニュアルを事前に作成し、定期的に訓練を行うことで、病院全体として災害に備えた体制を構築することができます。また、災害マニュアルは、医療従事者だけでなく、患者さんやその家族にとっても、安心して医療を受けてもらうための重要な役割を担っています。
地震への備え

災害医療におけるマニュアルの重要性

- 災害医療におけるマニュアルとは災害医療においてマニュアルとは、大規模な災害や事故が発生した際に、医療現場が混乱に陥ることなく、適切な医療活動をスムーズに行うための手順書のようなものです。平時に災害発生時を想定し、負傷者の搬送方法や治療の優先順位、役割分担などを具体的に定めておくことで、いざというときに医療従事者一人ひとりが冷静かつ迅速に行動できるよう、道筋を示す役割を担います。災害医療は、時間との闘いです。一刻を争う状況下では、通常の医療体制では対応しきれないほどの多数の負傷者が発生する可能性があります。限られた医療資源と人員の中で、より多くの命を救うためには、効率的かつ組織的な活動が求められます。そこで、マニュアルの存在が極めて重要になります。例えば、負傷者の重症度に応じて治療の優先順位を判断するトリアージや、病院への搬送手順、医療物資の管理方法などが、マニュアルに明記されています。また、災害の種類や規模に応じて、必要な医療体制や対応方法も異なるため、様々な状況を想定したマニュアルを事前に作成しておくことが重要となります。災害医療におけるマニュアルは、医療従事者にとって羅針盤のようなものです。平時からの入念な準備と訓練によって、マニュアルの内容を理解し、行動に移せるようにしておくことが、災害時の的確な医療活動に繋がるのです。