
噴火の脅威: 火山砕屑物とは?
- 火山砕屑物の定義火山砕屑物とは、火山活動によって噴き上げられる、溶岩以外のあらゆる固形物のことを指し、「火砕物」とも呼ばれます。火山が噴火する際には、溶岩だけでなく、大小様々な岩石や高温のガスなどが噴出されます。このうち、溶岩以外の固体物全体をまとめて火山砕屑物と呼びます。火山砕屑物は、その大きさによって、火山灰、火山礫、火山岩塊、火山弾などに分類されます。火山灰は、直径2ミリメートル以下の非常に細かい粒子で、広範囲に拡散し、太陽光を遮ったり、呼吸器系に影響を及ぼしたりするなど、私たちの生活に大きな影響を与える可能性があります。一方、火山礫は直径2ミリメートルから64ミリメートルまでの岩石片、火山岩塊は直径64ミリメートル以上の大きな岩石の塊です。これらは、噴火口から勢いよく放出され、建物を破壊したり、火災を引き起こしたりするなど、甚大な被害をもたらす可能性があります。火山弾は、噴火時に溶岩が空中で冷え固まってできる、紡錘形や球形などの特徴的な形をした岩石です。その大きさは数センチメートルから数メートルにもなり、落下地点周辺に大きな被害をもたらすことがあります。想像を絶する轟音とともに、空高く噴き上げられ、周辺地域に降り注ぐ火山砕屑物は、まさに火山の脅威を象徴する存在と言えるでしょう。