減圧症

けが人へ医療

高気圧酸素療法:現代医療における新たな可能性

- 高気圧酸素療法とは高気圧酸素療法とは、普段私たちが生活している気圧よりも高い、2~3気圧という特殊な環境に設置された部屋の中で、高濃度の酸素を吸入する治療法です。この治療法は、体に取り込む酸素の量を大幅に増やすことで、様々な病状の改善に効果を発揮します。私たちの体は、呼吸によって酸素を取り込み、血液によって全身に運びます。しかし、病気や怪我などによって、血液の流れが悪くなったり、酸素を十分に取り込めなくなったりすることがあります。このような状態になると、体の組織は酸素不足に陥り、様々な機能が低下してしまいます。高気圧酸素療法では、気圧を高めた環境で高濃度の酸素を吸入することで、血液中に溶け込む酸素の量を増加させます。これにより、酸素不足に陥っている組織にも十分な酸素を供給することができるようになり、組織の修復や機能回復を促します。高気圧酸素療法は、一酸化炭素中毒や潜水病などの急性疾患から、難聴や糖尿病性壊疽などの慢性疾患まで、幅広い疾患に効果が期待できます。また、近年では、美容や健康増進を目的とした利用も増えています。
その他

潜水作業の危険:減圧症を理解する

- 減圧症とは減圧症は、潜水などの際に、高い水圧がかかる環境から低い水圧の環境へ急激に移った際に、体の中で起こる変化が原因で発症する病気です。深く水中にもぐればもぐるほど、私達の体は周囲の水圧の影響を大きく受けます。この時、私達の呼吸によって体内に取り込まれた空気中の窒素ガスは、高い水圧によって血液や体液に普段よりも多く溶け込んでいきます。この状態で、水中から水面に向かって急激に浮上すると、溶けていた窒素ガスは、圧力が低い環境になったことで、体内で気泡となってしまいます。これは、密閉された炭酸飲料水のボトルを開けた際に、一気に気泡が発生する現象と同じです。この気泡は、血管を詰まらせたり、神経を圧迫したりすることで、様々な体の不調を引き起こします。これが減圧症です。