消火設備

火災への備え

進化する消火システム:ハロンガスからその後継者へ

- かつての主力、ハロンガスの問題点火災から人々や財産を守る消火剤は、安全な社会生活を送る上で欠かせないものです。かつて、消火剤の代表格として活躍していたのがハロンガスです。ハロンガスは、燃焼の仕組みを化学的に阻害することで、素早く火を消すことができ、電気を通さないため、コンピューターなどの精密機器が設置された場所でも安全に使用できるという優れた特徴を持っていました。しかし、その優れた消火能力とは裏腹に、地球環境への深刻な影響が問題視されるようになりました。調査の結果、ハロンガスは、冷蔵庫やエアコンの冷媒として広く使われていたフロンと同様に、オゾン層を破壊する性質を持っていることが明らかになったのです。オゾン層は、太陽から降り注ぐ有害な紫外線を吸収し、私たち人間を含む地上の生態系を守ってくれる大切な役割を担っています。もし、オゾン層が破壊されてしまうと、地上に降り注ぐ紫外線の量が増え、皮膚がんや白内障などの健康被害のリスクが増加するだけでなく、植物の生育にも悪影響を及ぼす可能性があります。このハロンガスによる環境問題の深刻さを受けて、国際社会は協力して対策に乗り出しました。1987年に採択されたモントリオール議定書によって、ハロンガスの生産と消費は段階的に削減され、ついに全廃されるに至りました。これは、国際社会が協力して地球環境問題に取り組んだ大きな成功例と言えるでしょう。
火災への備え

火災から命を守る!スプリンクラーを知ろう

- スプリンクラーとはスプリンクラーは、火災の発生を自動で感知し、初期段階で消火活動を行うための重要な設備です。主に建物の天井に設置され、火災の熱を感知すると、スプリンクラーヘッドから勢いよく水を噴射して、火を消したり、燃え広がるのを抑えたりします。スプリンクラーは、火災の熱に反応して自動的に作動するように設計されています。そのため、火災が発生した際に、人がその場に居合わせていなくても、初期消火活動を行うことができます。スプリンクラーは、私たちの生活空間において、火災発生時の安全確保に重要な役割を果たしています。人が集まる劇場やデパート、ホテルなどの商業施設や、マンションなどの集合住宅、さらには工場や倉庫といった場所で広く設置されており、私たちの命と財産を守るために活躍しています。スプリンクラーは、火災による被害を最小限に抑えるために非常に有効な設備と言えるでしょう。
火災への備え

コンピュータールームを守る!ガス系消火設備とは?

- ガス系消火設備の概要ガス系消火設備は、その名の通り、ガス状の消火剤を使って火を消す設備です。水や泡を使うスプリンクラー設備とは異なり、消火後に水による被害がないという大きな特徴があります。そのため、電子機器や美術品など、水に弱いものを守るのに適しています。ガス系消火設備は、主に二酸化炭素やハロンなどのガスが使われていましたが、近年では、これらのガスが地球環境に与える影響が懸念されるようになりました。そこで、環境への負荷がより小さい代替のガスが開発され、使用されるようになっています。ガス系消火設備は、コンピュータールームや通信機械室など、電子機器が集中している場所で広く使われています。これらの場所では、火災による機器の損傷が業務に大きな影響を与えるため、水を使わずに消火できるガス系消火設備は非常に有効です。また、美術館や書庫など、貴重な資料や文化財を保管する場所でも、水による被害を防ぐためにガス系消火設備が採用されています。さらに、近年では、駐車場でもガス系消火設備の設置が進んでいます。駐車場は、自動車からガソリンが漏れて火災が発生する危険性があるため、消火設備の設置が義務付けられています。ガス系消火設備は、水による消火活動が困難な立体駐車場などでも設置しやすく、効果的に火を消すことができます。このように、ガス系消火設備は、様々な場所で私たちの安全を守ってくれる重要な設備として活躍しています。