
浸透圧利尿:体からの水分の排出について
- 浸透圧利尿とは私たちの体には、不要になったものや余分な水分を尿として体の外に出す仕組みが備わっています。この大切な役割を担っているのが腎臓です。腎臓は、血液をろ過して、老廃物や余分な水分を尿として膀胱へ送り出しています。このとき、腎臓は体の状態に合わせて、必要な水分や電解質を再び血液中に取り込む再吸収という働きも同時に行っています。この巧みな働きによって、体内の水分の量や電解質のバランスは常に一定に保たれているのです。しかし、血液中に浸透圧物質と呼ばれるものが過剰に存在すると、腎臓での水分の再吸収がうまくいかなくなってしまうことがあります。浸透圧物質には、ブドウ糖や尿素など様々なものがありますが、腎臓が再吸収する水の量よりも多くの浸透圧物質が尿に溶け込むことで、水分は尿中に留まりやすくなってしまいます。その結果、尿の量が増えてしまう現象を浸透圧利尿と呼びます。浸透圧利尿は、糖尿病などの病気によって起こることもあれば、点滴などによって人工的に引き起こされることもあります。