浸透圧

その他

浸透圧利尿:体からの水分の排出について

- 浸透圧利尿とは私たちの体には、不要になったものや余分な水分を尿として体の外に出す仕組みが備わっています。この大切な役割を担っているのが腎臓です。腎臓は、血液をろ過して、老廃物や余分な水分を尿として膀胱へ送り出しています。このとき、腎臓は体の状態に合わせて、必要な水分や電解質を再び血液中に取り込む再吸収という働きも同時に行っています。この巧みな働きによって、体内の水分の量や電解質のバランスは常に一定に保たれているのです。しかし、血液中に浸透圧物質と呼ばれるものが過剰に存在すると、腎臓での水分の再吸収がうまくいかなくなってしまうことがあります。浸透圧物質には、ブドウ糖や尿素など様々なものがありますが、腎臓が再吸収する水の量よりも多くの浸透圧物質が尿に溶け込むことで、水分は尿中に留まりやすくなってしまいます。その結果、尿の量が増えてしまう現象を浸透圧利尿と呼びます。浸透圧利尿は、糖尿病などの病気によって起こることもあれば、点滴などによって人工的に引き起こされることもあります。
その他

隠れた危険!浸透圧ギャップでわかる体の異変

- 浸透圧ギャップって何?私たちの血液の中には、体に必要な栄養や酸素を運ぶ役割を担う、たくさんの成分が含まれています。例えば、食事から摂る塩分に含まれるナトリウムや、エネルギー源となるブドウ糖などが挙げられます。血液中に溶けているこれらの物質の濃度を表す指標として、「浸透圧」というものが用いられます。通常、血液中の浸透圧は、ナトリウムやブドウ糖などの濃度を測定することで、おおよその値を計算することができます。しかし、実際に測定してみると、計算で予測した値と、実測値との間に、わずかな差が生じることがあります。この計算値と実測値の差を「浸透圧ギャップ」と呼びます。浸透圧ギャップは、血液中に、計算では予測できない物質が溶け込んでいることを示唆しています。健康な状態であれば、血液中に溶け込んでいる物質のほとんどは計算で予測できるものなので、浸透圧ギャップはほとんどゼロに近い値を示します。しかし、もしも体の中で異常が起こり、血液中に通常は存在しない物質が溶け込むようなことがあれば、浸透圧ギャップが大きくなることがあります。具体的には、腎不全や糖尿病、アルコール中毒などの病気が隠れている可能性が考えられます。そのため、浸透圧ギャップは、これらの病気を早期発見するための重要な指標として用いられています。