
防災の基礎知識:痕跡高とは?
巨大な津波が押し寄せると、海岸沿いは一変し、その爪痕が残されます。その象徴的なものが「痕跡高」です。これは、津波が引いた後に、建物や木々、斜面などに残された様々な痕跡の高さを指します。津波が押し寄せると、土砂や瓦礫、海中の生物など、様々なものが巻き上げられ、内陸部まで運ばれます。これらの漂着物は、津波の力によって、建物や木々に打ち付けられ、まるで傷跡のように、その高さを示すのです。時には、建物の壁に残された土砂の跡や、樹皮が剥がれ落ちた部分が、津波のすさまじさを物語ります。また、痕跡高は、津波の規模や被害状況を把握する上で重要な手がかりとなります。痕跡高を調べることで、津波がどの程度の高さまで到達したのか、どの範囲に被害が及んだのかを推測することができます。この情報は、今後の防災対策や、より正確なハザードマップの作成に役立てられます。痕跡高は、過去の津波の脅威を後世に伝えるとともに、未来への教訓を与えてくれる、無言の語り部とも言えるでしょう。