汀線

水害について

津波の脅威を知る:遡上高とは?

巨大な水の壁となって押し寄せる津波は、その強烈な力で海岸沿いの地域に壊滅的な被害をもたらします。人々の生活、家屋、そして街全体が津波の破壊力の前には無力と言っても過言ではありません。この恐ろしい自然災害の力を測る指標の一つに「遡上高」があります。遡上高とは、津波が陸地に到達し、最も高い地点に達した時の、海面からの高さを指します。簡単に言えば、津波が陸地でどれだけの高さまで達したかを示す指標です。遡上高は、津波のエネルギーを測る上で重要な指標となります。遡上高が高いほど、津波の持つエネルギーは大きく、被害も甚大になる傾向があります。例えば、2011年の東日本大震災では、岩手県宮古市で40メートルを超える遡上高が記録されました。これは、ビルの10階以上に相当する高さであり、津波の破壊力の大きさを物語っています。遡上高は、過去の津波被害の状況や、地形、建物の構造などを考慮して、津波ハザードマップの作成や、防潮堤などの防災対策を講じる上で重要な役割を果たしています。津波の脅威から人々の命と暮らしを守るためには、遡上高という指標を通して、津波の力を正しく理解し、適切な対策を講じることが不可欠です。