
知っておきたい医療用語:片肺換気とは?
- 片肺換気とは片肺換気とは、文字通り、左右どちらか片方の肺だけを使って呼吸をする状態を指します。普段私たちが何気なく行っている呼吸は、左右両方の肺を使っていますが、様々な理由で片方の肺だけが機能し、呼吸を行わなければいけない場合があります。片肺換気になってしまう原因は大きく分けて二つあります。一つは、怪我や病気などによって、意図せず片肺換気の状態になってしまう場合です。例えば、交通事故などで胸部に強い衝撃を受けると、肺が損傷し、空気が漏れてしまうことがあります。これが片方の肺だけで起こると、その肺は膨らんだり縮んだりすることができなくなり、結果として片肺換気の状態になってしまうのです。また、肺炎などの病気によって、片方の肺が機能しなくなる場合もあります。二つ目は、手術や治療のために、意図的に片肺換気の状態を作り出す場合です。例えば、肺がんの手術では、がんに侵された肺の一部、もしくは全体を切除することがあります。その際、手術する側の肺に麻酔薬を集中させ、機能を一時的に停止させることで、安全に手術を行うことがあります。片肺換気は、健康な状態であれば、もう片方の肺だけで呼吸を補うことができるため、すぐに命に関わるような状態ではありません。しかし、長時間にわたって続く場合は、体に負担がかかり、呼吸困難などの症状が現れる可能性もあります。そのため、片肺換気になった原因を特定し、適切な処置を行うことが重要です。