
命を守る気道確保:気管切開とは?
- 気管切開の目的気管切開とは、呼吸が困難になった際に、命を繋ぐために行われる重要な手術です。 この手術は、様々な原因で気道が塞がったり狭くなったりして、十分な呼吸ができなくなった場合に実施されます。私たちの体には、鼻や口から吸い込んだ空気を肺に届けるための気道と呼ばれる器官があります。しかし、病気や事故などによってこの気道が塞がれてしまうと、空気の通り道が狭くなり、呼吸が苦しくなります。さらに重症化すると、自力での呼吸が困難になり、生命の危機に瀕することもあります。このような状況において、気管切開は非常に有効な手段となります。気管切開では、首の前方にある気管軟骨という部分に小さな穴を開け、そこから直接チューブを挿入します。これにより、鼻や口を通らずに、肺に直接空気を送り込むことが可能になります。気管切開は、一時的な呼吸の補助として行われる場合もあれば、長期にわたって呼吸管理が必要な場合にも行われます。手術後は、チューブを通して呼吸の管理を行いながら、原因となった病気の治療やリハビリテーションなどを進めていきます。