救急

けが人へ医療

命を救うAED:電気ショックで心臓を蘇生

電気ショックは、まるで眠ってしまった心臓を揺り起こすように、電気の力で心臓を再び動かすための処置です。人間の心臓は、体中に血液を送り出すポンプのような役割を担っており、規則正しいリズムを刻んで収縮と拡張を繰り返しています。しかし、病気や事故など、様々な原因によってこのリズムが乱れてしまうことがあります。心臓が本来のリズムを失い、震えるようにけいれんを起こしてしまう状態を心室細動と呼びます。心室細動が起こると、心臓は血液をうまく送り出すことができなくなり、命に関わる危険な状態に陥ります。この心室細動を止め、心臓の動きを正常なリズムに戻すために用いられるのが電気ショックです。電気ショックによって心臓に電気刺激を与えることで、乱れた電気信号をリセットし、心臓が再び正常なリズムで動き出すように促します。
組織

災害医療のスペシャリスト集団:DMATとは

大規模な地震や大事故が発生すると、同時に多くの人が怪我をしてしまうことがあります。怪我の程度は様々ですが、病院で治療を受けなければならない人も大勢発生します。しかしながら、病院で一度に対応できる人数には限りがあり、負傷者の搬送や治療の優先順位を決める必要があります。このような緊急事態に、国の指示を受けて被災地に駆けつける専門家集団がいます。それが災害派遣医療チーム、通称DMAT(ディーマット)です。DMATは、医師、看護師、業務調整員などで構成され、被災地で医療活動の指揮を執り、傷病者の状態に応じて治療の優先順位を決定する「トリアージ」を行います。また、病院での治療が必要な重症者の搬送先を調整したり、医療物資の確保なども行います。DMATは、被災地で活動するために、特殊な車両や医療機器を備えています。また、過酷な環境下でも活動できるよう、日々訓練を重ねています。災害現場は、電気や水道などのライフラインが断たれていることも多く、医療活動を行う上で大変厳しい環境です。 DMATは、このような厳しい環境の中でも、一人でも多くの命を救うために、持てる知識と技術を駆使して活動しています。
けが人へ医療

命を守る気道確保:気管切開とは?

- 気管切開の目的気管切開とは、呼吸が困難になった際に、命を繋ぐために行われる重要な手術です。 この手術は、様々な原因で気道が塞がったり狭くなったりして、十分な呼吸ができなくなった場合に実施されます。私たちの体には、鼻や口から吸い込んだ空気を肺に届けるための気道と呼ばれる器官があります。しかし、病気や事故などによってこの気道が塞がれてしまうと、空気の通り道が狭くなり、呼吸が苦しくなります。さらに重症化すると、自力での呼吸が困難になり、生命の危機に瀕することもあります。このような状況において、気管切開は非常に有効な手段となります。気管切開では、首の前方にある気管軟骨という部分に小さな穴を開け、そこから直接チューブを挿入します。これにより、鼻や口を通らずに、肺に直接空気を送り込むことが可能になります。気管切開は、一時的な呼吸の補助として行われる場合もあれば、長期にわたって呼吸管理が必要な場合にも行われます。手術後は、チューブを通して呼吸の管理を行いながら、原因となった病気の治療やリハビリテーションなどを進めていきます。
けが人へ医療

緊急事態!意識障害の基礎知識と対応

- 意識障害とは何か意識障害とは、周りの状況や変化を正しく理解することができず、自分の考えや気持ちを伝えることが難しくなる状態のことを指します。簡単に言えば、意識がはっきりしない状態のことです。例えば、呼びかけられても反応が鈍かったり、意識がもうろうとしていたりする状態が挙げられます。これは、風邪で高熱が出ている時や、睡眠不足の時のように、誰しも経験する可能性のある身近な状態とも言えます。しかし、意識障害はその状態自体が病気なのではなく、様々な原因によって引き起こされる症状であるという点に注意が必要です。例えば、脳卒中や頭部外傷などの病気や怪我によって脳がダメージを受けた場合に、意識障害が現れることがあります。また、低血糖や薬物の影響、重い感染症などが原因となることもあります。意識障害は、その程度によって、ぼーっとしている程度の軽い状態から、全く反応がない昏睡状態まで、様々な段階に分けられます。意識障害は命に関わる深刻な病気が隠れているサインである可能性もあるため、いつもと様子が違うと感じたら、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
けが人へ医療

応急処置の基礎知識

- 応急処置とは病気や怪我をしてしまった時、すぐに病院に行けば良いとは限りません。救急車が到着するまで、あるいは病院に到着するまでの間、適切な処置を行うことで、命を救ったり、症状が悪化するのを防いだりすることができます。このような、医療機関による専門的な治療を受けるまでの間に行う一時的な処置のことを、応急処置と言います。応急処置の目的は、大きく分けて三つあります。最も重要なのは、生命の危機を回避することです。例えば、呼吸が止まってしまった場合や、大量に出血している場合、一刻も早い処置が生死を分けることになります。次に、症状が悪化するのを防ぐことも大切です。怪我の状態によっては、適切な処置を行わないことで、後遺症が残ってしまう可能性もあります。そして、回復を助けることも、応急処置の重要な役割です。早期に適切な処置を行うことで、回復を早めたり、痛みを和らげたりすることができます。応急処置は、医師や看護師などの専門家だけがするものと思われがちですが、決してそうではありません。一般市民であっても、正しい知識と技術を身につけていれば、応急処置を行うことができます。いざという時に、落ち着いて行動し、大切な人を守るためにも、日頃から応急処置について学んでおくことが重要です。
火災について

命を繋ぐ119番:適切な利用を

- 119番の役割119番は、火事や急病人が発生した場合など、緊急時に消防機関へ連絡するための電話番号です。 一刻を争う状況で、迅速かつ的確な対応が必要となる際に、私たちと消防機関をつなぐ命の電話番号と言えるでしょう。もし、あなたが火災現場を目撃したら、ためらわずに119番へ電話をかけましょう。初期消火を試みるのも大切ですが、状況によっては身の安全を第一に、消防隊員への通報を優先することが重要です。また、急病人や怪我人が発生した場合も、119番の出番です。意識がない、呼吸が苦しそう、出血がひどいなど、緊急性を要する症状が見られる場合は、すぐに119番へ連絡し、救急隊員の指示を仰ぎましょう。119番通報の際は、落ち着いて、発生場所、状況、負傷者の状態などを明確に伝えましょう。住所が分からなくても、周囲の建物や目印になるものを伝えれば、消防隊員が現場へ急行してくれます。119番は、私たち一人ひとりの命と安全を守るための重要な役割を担っています。 緊急事態が発生したときは、ためらわずに119番へ通報しましょう。