
目に見えない脅威:ガンマ線とその防护
- ガンマ線とは私たちの身の回りには、目には見えないけれど様々な波が飛び交っています。携帯電話の電波や、物を温める電子レンジのマイクロ波、レントゲン写真に使われるエックス線なども、これら波の一種です。これらの波は電磁波と呼ばれ、波の長さ(波長)によってその性質が大きく異なり、波長の短いものほど強いエネルギーを持っています。ガンマ線は、この電磁波の中で最も波長が短く、最もエネルギーの高い波なのです。ガンマ線は、原子核の崩壊によって生み出されます。原子核とは、原子の真ん中にある小さな粒で、陽子と中性子からできています。この原子核が不安定な状態になると、より安定な状態になろうとして自らを崩壊させ、その過程でガンマ線を放出するのです。ガンマ線は、その高いエネルギーによって物質を透過する力が非常に強く、私たちの体を easily 通り抜けてしまいます。このため、大量に浴びると細胞や遺伝子を傷つけ、人体に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、医療分野では、その強い透過力を利用して、がんの治療や体内を映し出す画像診断などにも役立てられています。