
運動機能と呼吸困難からみた呼吸器疾患の重症度
- ヒュー・ジョーンズの基準とはヒュー・ジョーンズの基準は、呼吸器の病気を持つ方が、どのくらい息苦しさを感じているかを、体を動かせる程度と結びつけて評価する指標です。この基準は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった病気を持つ方が、日常生活でどの程度活動できるかを把握する際に役立ちます。具体的には、息が切れないで歩ける距離や、階段の上り下りがどの程度可能な状態かといった、具体的な活動レベルを基準に、I度からV度までの五段階で評価します。* I度息苦しさを感じることなく、日常生活を送ることができます。激しい運動でも支障はありません。* II度平坦な場所を歩いたり、日常生活を送る際には問題ありませんが、階段の上り下りや坂道を登る際には、息苦しさを感じることがあります。* III度平坦な場所を歩いたり、自分の身の回りのことをする際には問題ありませんが、それ以上の活動になると息苦しさを感じ、休まなければならなくなります。* IV度少し体を動かすだけでも息苦しさを感じ、日常生活に支障が出てきます。* V度安静にしていても息苦しさが強く、身の回りのことを自分で行うことができません。ヒュー・ジョーンズの基準を用いることで、患者さん自身の状態を客観的に把握できるだけでなく、医師とのコミュニケーションをスムーズにすることにも役立ちます。