
病院感染を防ぐためにできること
病院という場所は、病気の方々が治療を受けるために集まる場所ですが、同時に、そのために多くの病原体が持ち込まれる可能性がある場所でもあります。病院感染とは、このような医療施設内で、患者さんや医療従事者が新たに感染症に罹ってしまうことを指します。これは、入院中に限らず、退院後に発症する場合も含まれます。感染経路は様々で、外部から持ち込まれるケースと院内に存在するものが原因となるケースが考えられます。例えば、季節性の流行性感冒などが、外から持ち込まれてしまい、院内で患者さんの間、あるいは患者さんと医療従事者の間で広がってしまうことがあります。また、院内では、免疫力が低下した患者さんが多く入院されていることから、院内で発生した多剤耐性菌の感染などが広がってしまう可能性もあります。病院感染は、患者さんの病気の回復を遅らせたり、重症化させたりする可能性があります。そのため、医療施設では、手洗きの徹底や消毒、隔離などの感染対策を徹底することで、病院感染のリスクを減らす取り組みを行っています。